わたしはダマサレナイ!!
第63話 新聞広告やテレビショッピングなどを見て電話注文したら意図せず定期購入に!?
point1 高齢者に多いインターネット通販以外の定期購入トラブル
通信販売(以下、通販)で、消費者が意図していない定期購入の契約をさせられたトラブルの相談件数は、2022年に過去最高の7万5000件超(消費者白書2023年版)となり、現在も全国の消費生活センター等に多くの相談が寄せられています。
相談の多くがインターネット通販によるものですが、新聞広告や雑誌広告、テレビショッピング、カタログなど電話注文による通販でのトラブルも少なくありません。
相談者の多くは60歳以上の高齢者となります。
point2 おまとめコースなど
広告等に記載のないサービスや商品を勧誘
このトラブルの特徴は、消費者が新聞広告やテレビショッピングなどで紹介された商品を注文するために販売業者に電話をすると、販売業者から「おまとめコースがお得」、「お試し商品を一緒に送る」などと言って、広告等に記載のないサービスや商品を勧めてくることです。
突然の勧誘でしっかり検討する時間がない消費者は、販売業者から十分な説明がなされないまま承諾してしまい、意図しない定期購入の契約等をさせられてしまいます。
事例①
美容液の雑誌広告を見て注文の電話をしたところ、「3カ月使わないと効果が出ない。おまとめコースがお得」と説明された。
3カ月分の商品がまとめて届くコースと思い注文したが、最初に商品が届いてから3カ月後にさらに3カ月分の商品が届き、納品書を見て定期購入になっていることがわかった。
事例②
拡大鏡の半額セールを新聞広告で見て電話で注文。
販売業者から「目によいお試しの健康食品も送る」と言われ、拡大鏡と健康食品が届いた。
請求書を見ると拡大鏡はプレゼントで、健康食品の請求になっていた。
支払い額は変わらなかったので気にしないでいたが、1カ月後に健康食品がまた届いた。
請求書をよく確認すると、健康食品の定期購入契約になっていた。
point3 特定商取引法の改正でクーリング・オフの対象に
こうしたトラブルを避けるには、電話注文時に販売業者から広告等に記載のないサービスや商品、複数月分の商品が必要などと勧められても、興味がなければきっぱり断ることが大切です。
興味を持った場合でも、そのサービスや商品が定期購入になっていないかなど、購入条件やキャンセル方法をしっかり確認し、いったん電話を切って慎重に検討することをお勧めします。
購入条件などの内容を十分に理解できなければ断りましょう。
通販はクーリング・オフ(無条件での契約解除)の対象外ですが、2023年6月に特定商取引法の改正施行令が施行され、テレビCMや新聞、チラシ、WEBサイトの広告を見て消費者が電話注文した際、事前に触れられていない商品やサービスなどを勧誘された場合は「電話勧誘販売」に該当し、クーリング・オフができる場合があります。
消費者が契約書を受け取っていなければ、クーリング・オフはいつでも可能です。
不備のない契約書を受け取っている場合は、クーリング・オフ期間は8日間であり、期間が過ぎると原則クーリング・オフができません。
また、健康食品や化粧品などの消耗品は、消費した分のクーリング・オフができないことを記載した書面を消費者が受け取っている場合、消費分のクーリング・オフはできません。
商品が到着したら、同梱されているあらゆる書面を必ず確認してください。
高齢者の消費者トラブルを防ぐには、家族や周りの人の見守りが必要です。
高齢者は定期購入をうまく解約できずに放置している場合もあるので、注意して見てあげてください。
トラブルが生じたら消費者ホットライン188にすぐに相談しましょう。
マンガで分かりやすく解説!
マンガ まきのこうじ
第63話 新聞広告やテレビショッピングなどを見て電話注文したら意図せず定期購入に!?(PDF 5,276KB)
監修:
NACS消費者相談室 岡本 由美
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関連サイト
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万一の相談先
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