わたしはダマサレナイ!!
第38話 「必ず値上がりする」は嘘。仮想通貨の購入トラブルが急増中!
「必ず値上がりする」という言葉を鵜呑みにしない。仮想通貨の購入トラブルにご注意ください!
point1 仮想通貨の話題性に乗じた詐欺が増加
ビットコインに代表される仮想通貨への注目が高まっています。仮想通貨は、円やドルなどの法定通貨と比べて、多くの国でモノやサービスの購入に利用できるほか、海外送金の手段としても時間、手間、費用を節約できる点などを魅力に感じる人も多いようです。さらに、時折、その価格高騰がテレビや新聞で話題になることもあって、値上がり益を期待して仮想通貨を投資対象と考える人もいるようです。
ただ、投資セミナーで「必ず値上がりする」と勧められて仮想通貨を購入したものの、儲かるどころか支払ったお金も戻ってこないなど、仮想通貨の話題性に乗じた投資詐欺と思われるトラブルも増えています。
point2 購入を勧められるものが仮想通貨の性質を持たない場合も
仮想通貨は、円やドルなどの法定通貨とは異なり、政府や中央銀行などの信頼できる発行者や管理者がいません。それでも、仮想通貨は、ブロックチェーンと呼ばれる技術によって複製・偽造などの不正利用を防止しながら、インターネット上で流通することが可能な仕組みを備えています。現在、ビットコインのほかにも数多くの仮想通貨が登場していると言われています。ただ、マンガにもあるようなセミナーなどで仮想通貨と称して購入を勧められるものの中には、こうした仕組みを備えていない、仮想通貨としての性質を持たないものがあるほか、架空の話(架空コイン)である場合もあり、注意が必要です。
point3 「必ず値上がりする」は投資詐欺の常套句
仮想通貨は、たとえ正当なものであっても「必ず値上がりする」ことが保証されたものではありません。仮想通貨は、インターネット上で自由に売買することができ、その価格は市場で変動するものが多く、購入後、値上がりすることもあれば、値下がりすることもあるのです。「必ず値上がりする」などの文句を鵜呑みにしないことが大切です。本誌のこのコーナーでも何度も触れているように、「必ず儲かる」「必ず値上がりする」は詐欺の常套句であることを思い出しましょう。また、「割引価格で販売する」「高値で買い取る」などの説明も投資詐欺の可能性を疑うべきです。
point4 相手が登録業者かどうかを確認する
日本では、仮想通貨の取引が適切に行われるよう、今年4月に仮想通貨に関して法的な整備が行われました。まず、次の①〜③の性質を持つ財産価値が仮想通貨に当たるとされています。
- 不特定の者に対して、代金の支払いなどに使用でき、且つ、法定通貨(日本円や米国ドルなど)と相互に交換できる、
- 電子的に記録され、移転できる、
- 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカードなど)ではない。
そのうえで、仮想通貨と法定通貨または仮想通貨同士の交換や利用者の金銭・仮想通貨を管理する業務(仮想通貨交換サービス)を行うためには、金融庁の登録を受けることが必要となりました。したがって、業者などから仮想通貨の購入を勧められた場合には、相手が仮想通貨交換サービス業者としての登録を受けているかどうかを確認しましょう。仮想通貨交換サービス業者としての登録を受けているからといって必ずしも信頼できる相手とは限りませんが、登録を受けていない者は相手にしないことが詐欺に遭わないための鉄則です。なお、仮想通貨交換サービス業者としての登録および登録業者が取り扱う仮想通貨は、金融庁のホームページで確認することができます。
point5 取引内容を理解できなければ購入しない
法律ではさらに、利用者に対して仮想通貨の仕組みやリスクについて説明する義務を仮想通貨交換サービス業者に課しています。仮想通貨の取引を行う場合には、業者から説明を聞き、取引の対象となる仮想通貨の特徴や取引の仕組み(残高の確認方法や法定通貨での出金方法を含む)、契約内容を十分に理解したうえで取引を行うようにしましょう。これらのことがよく理解できなければ、購入することはやめましょう。インターネットのことはよくわからないからと、手続きを業者任せにするのも禁物です。
point6 仮想通貨は投資には向かない
最後に一言。仮想通貨は短期間で大きく価格が変動する可能性があります。こうしたハイリスク・ハイリターンの金融商品は、教育資金や老後資金など、将来必要となる資金を用意するための投資には向かないことにも注意してください。
スマートフォンでマンガ!電子ブックで金融トラブル防止について学ぼう。
第38話の内容を電子ブック(epub形式)として読むことができるようになりました。
詳しくは以下のリンクまたはQRコードから。