わたしはダマサレナイ!!
第43話 東京オリンピックに便乗する悪質業者の詐欺的勧誘に注意報発令!
point1 関心高まる東京オリンピックに再び詐欺的魔の手が忍び寄る
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決定した2013年から数年間、東京オリンピック関連の詐欺的勧誘トラブルが多発しました。その後いったん下火になったものの、開催が間近になったことで再びトラブルが増え始め、いくつかの自治体では注意喚起を行っています。
point2 基本のだまし方は劇場型 3つに分類できる勧誘手口
東京オリンピックに関連した詐欺的勧誘は、主に複数の人物が登場してだます「劇場型」といわれる手口です。それらは、①チケット関連、②金融商品や投資関連、③東京オリンピックを口実とした勧誘、の3つに分類されます。
3つの手口の主な事例は次の通りです。
①チケット関連の事例
マンガの事例のように実在しないチケットの購入代金を振り込ませるケースのほか、個人情報の取得を目的とするケースも目に付きます。まず、「オリンピック財団」や「オリンピック協会」と称する業者から「東京オリンピックのチケットを申し込みましたか?」という連絡が入ります。覚えがないと答えると「こういったトラブルを起こしている悪質業者グループが持つカモリスト(だますターゲットが載っている名簿)に、あなたの氏名が載っています」と困惑させて、個人情報を聞き出そうとします。さらに「すぐにリストから個人情報を削除しないと、また悪質業者に狙われますよ!」とおどして、削除費用の名目で金銭を要求してきます。
②金融商品や投資関連の事例
最近、オリンピック効果をうたい文句にして仮想通貨を買わせようとするトラブルが多発しており、注意が必要です。仮想通貨の販売代理店と称する者から、「これから立ち上がる仮想通貨で、私どもしか取り扱っておらず、近々上場します」といって勧めてきます。「東京オリンピック効果で値上がりが確実」、「今はキャンペーン中で10口以上だと割引」という誘いに乗ってしまい購入。しかしその後、仮想通貨立ち上げの様子もないまま業者とは連絡が取れなくなります。
③東京オリンピックを口実とした勧誘の事例
日本の伝統工芸品など外国人受けする商品の販売支援や関連事業の求人募集、と称した詐欺的勧誘があります。東京オリンピックの関連団体を連想させる名前の業者から、月5万円ほど稼げる条件のよい仕事(副業)を斡旋しますという求人募集メールが届きます。連絡すると登録料が必要といわれ、支払ったあと連絡が取れなくなります。
point3 東京オリンピックの正しい知識が詐欺的勧誘を見破る鍵に
東京オリンピック公式チケットの販売や公式ライセンス商品の販売に関する正しい知識があれば、詐欺的勧誘に惑わされずにトラブルを回避できることもあります。まずは基本情報について知っておきましょう。
東京2020大会公式チケットの販売
公式チケットの販売は、オリンピックが2019年春から、パラリンピックが同年夏から始まります。チケット購入や情報収集のためには、TOKYO2020IDの登録が必要(チケット販売終了まで登録可能)です。トラブルにあわないようにするために、公式の販売ルート以外からは購入しないようにしましょう。
東京2020大会公式ライセンス商品の販売
公式ライセンス商品には偽造防止措置として、シリアル番号の付されたホログラム証紙が貼られています。ネットで購入する場合は、ライセンシー(メーカー)のHPまたはオフィシャルオンラインショップで購入してください。
point4 悪質業者の勧誘によるトラブルを避けるために
東京オリンピックをセールストークにしたトラブルに巻き込まれないためには、持ちかけられた事業や投資話の真偽について、関連サイトで調べたり、信頼できる人に聞いてみることが大切です。また、東京オリンピック関連に限らず、リスクについての説明がないまま「必ず儲かる」という勧誘は、消費者契約法などに抵触する可能性が高いので、契約しないのが賢明です。
話の内容が「分からない・理解できない」ものについても契約を避けましょう。さらに「名前を貸してほしいといわれる」とか「個人口座に振り込ませる」ということであれば、まず詐欺的勧誘だと疑ってみるべきです。
不審に思うことがあったり、万一トラブルに巻き込まれたりした場合は、迷わず最寄りの消費生活センターや警察に相談してください。
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