わたしはダマサレナイ!!
第34話 デート商法による悪質な投資用マンション販売
婚活サイトで近づいた相手に投資用マンションを購入させる新たなデート商法にご注意!
「デート商法」は、「恋人商法」とも呼ばれ、異性への恋愛感情を巧みに利用して高額な商品を売りつける悪質商法で、以前からトラブルになっていました。最近はインターネットの婚活サイトなどで被害者に近づいたうえで、不動産投資などを持ちかけ、投資用マンションを購入させる商法が増えています。
point1 デート商法の手口がより大胆で巧妙に!
かつてのデート商法は、何らかの名簿をもとに異性の販売員が電話で被害者に接触して、親しく話をするうちに実際に会う約束をし、何度かのデートを通じて、被害者に好意を抱かせたところで、宝石や絵画などを購入させるというものでした。
しかし最近は、婚活サイトなどで投資コンサルタントなどを騙(かた)って相手に近づき、「2人の将来のため」などという甘い言葉とともに、専門家を装ってアドバイスしながら高額な投資用マンションを購入させるより大胆で巧妙な手口に変化しています。
point2 結婚への期待感につけこみ、巧みにマンション投資に誘導する
仕事に忙しく、異性との出会いが少ない男女が結婚相手を探す手段として、婚活サイトを利用することも多くなってきているようです。婚活サイトの会員は結婚相手の希望条件とともに、自分自身のプロフィール(年齢、居住地、職業、趣味など)を登録、これをサイト内で公開することにより、気に入った相手が見つかれば、メールで連絡を取り合って実際に会う約束につなげていきます。悪質業者も婚活中の個人として婚活サイトに会員登録すれば、あらかじめ相手方のことをある程度知ったうえで被害者に近づくことができます。
こうして被害者に近づいた悪質業者は「投資コンサルタント」や「ファイナンシャルプランナー」などを騙(かた)ったうえで、投資や経済の専門家としてふるまい、デートを重ねるうちに、恋愛感情を抱かせていきます。そのうえで、すっかり信用させた被害者から年収や資産状況など詳しい情報を聞き出します。
一方の被害者は、自信たっぷりに投資について語る相手男性を頼もしく感じながら「あなたはマンション投資に向いている。センスがある」、「節税対策になるし、年金の足しにもなる」、さらに「2人の将来のために…」などと言われるうちに、結婚への期待感もあって、投資用マンションの購入を考え始めます。そして、相手が勧めるマンション購入を決意し、その人が連れてきた不動産業者に会い、契約してしまいます。
契約後、相手からの連絡は突然途絶えます。相手の電話番号は変えられ、婚活サイトの登録も無くなっていることを知り、ようやくだまされたのではないかと感じ始めます。
しかも契約にあたって当のマンションは一度も見ておらず、別の不動産会社で相場を聞いてみると、実際の相場は購入価格の半値以下と分かり、唖然。マンション購入のローンの支払いだけが残り、金銭的にも精神的にも大きな傷が残ってしまいます。
point3 被害に遭わないための注意点
マンガでは女性が被害者ですが、男性が被害に遭う場合もあります。こうした被害に遭わないためには、まず、結婚を目的とする婚活サイトで本来の目的以外の勧誘(今回のようにマンション購入など)をしつこく受けたら、その話は疑ってみましょう。高額な投資を勧める人は、本当に信用できる人でしょうか。おかしいと思った場合は、1人で悩まず、家族や友人に相談しましょう。
マンションなど不動産の売買契約は、いったん契約が成立してしまうと、基本的に解約は困難なケースが多いのですが、宅建業法では、宅建業者の事務所など以外の場所で買い受けの申し込みや契約の締結をした場合にはクーリング・オフの規定を設けています。うっかり契約してしまってもクーリング・オフできる場合もありますので、おかしいと気づいたら、すぐに最寄りの消費生活センターに相談しましょう。
また、婚活サイトにおいて、プロフィールなど会員の誰もが閲覧できる項目の入力を求められた場合は、どこまで必要な情報なのかをよく考えて、公開範囲や内容に注意したうえで、慎重に対処するようにしましょう。
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関連サイト
「デート商法による悪質な投資用マンション販売」についての詳しい情報は、以下をご覧ください。
- 婚活サイトなどで知り合った相手から勧誘される投資用マンション販売に注意!!-ハンコを押す相手は信ジラレマスカ?-(国民生活センターHPへリンク)
くらしに身近な金融知識をご紹介する「くらし塾 きんゆう塾」
「わたしはダマサレナイ!!」のほかにもお役立ち連載がいっぱいです。