わたしはダマサレナイ!!
第49話 「お試し」のつもりが定期購入契約に!激安価格で欺く悪質なネット通販
point1 いつのまにか定期購入を契約 悪質なネット通販トラブルが激増
インターネット通信販売(ネット通販)の広告で「お試し価格!実質0円」、「タイムセール90%オフ」など、通常よりかなり安い価格に誘われて通販サイトにアクセス。
商品を購入したあと、覚えのない定期購入契約によって多額の商品代金を通販会社から請求されるという消費者トラブルが年々増加しています。
国民生活センター(PIO-NET)によれば、2018年度の相談件数は2014年度比で約12倍に激増しています。
こうした状況に対処すべく法規制も強化されていますが、悪質業者はさまざまな逃げ口を用意しているため、トラブルをスムーズに解決することは難しいと言えるでしょう。
そのため、まずはトラブルにあわないために細心の注意をすることが大切なのです。
point2 購入条件を認識しづらい通販サイト 購入金額の何倍も支払うことに
悪質な定期購入契約の主な手口は、動画サイトやSNSのネット広告で通販サイトに誘導し、激安価格やセールの残り時間などを殊更に強調します。
反面、定期購入契約が商品購入の条件であることや、返品や解約の条件などを説明する返品特約は、非常に認識しづらいサイト構成になっているため、消費者は購入条件に気が付かないまま購入してしまい、2回目以降に商品が届いたときに初めて、定期購入契約が購入条件だったと認識します。
そして覚えのない定期購入契約によって、2回目以降は、通常価格という名の下に通販業者から高額な請求をされてしまうのです。
購入条件や返品特約が認識しづらいサイト構成の例をご紹介します。
「90%オフ」などの強調表示が並ぶ中に、小さな文字で「ご購入について」といったリンクテキストが張られ、リンク先に購入条件や返品特約を記載。
サイトの下部に記載やリンクがあり、スクロールを何度もしないと表示されない。
強調表示のすぐ下に注文ボタンがあり、注文ボタンをクリックすると、注文ボタンより下部に記載している購入条件等が確認できない。
注文内容の最終確認画面に初回分の商品代金(セール価格)のみが表示され、購入条件や定期購入契約による支払総額が表示されない。
とくにスマートフォンは、サイト全体の内容を把握しにくいので注意が必要です。
point3 通信販売はクーリング・オフ対象外 返品や解約は返品特約次第
消費者が定期購入契約と気づき、2回目以降に届いた商品の返品や解約を通販業者に伝えると、「返品特約記載の通り、契約期間中の返品や解約はできない」などと言われるケースが多くあります。
通販はクーリング・オフの対象外なので、返品や解約などについては、通販サイトに記載されている返品特約に従うことになるのです。
「返品・解約はできない」、「解約すると初回の商品代金は通常価格になり、差額分を請求する」などと返品特約にあれば、そのような対応をされてしまいます。
また、悪質な対応の事例として「『解約は次回の商品到着日の10日〜5日前までの間に、電話のみ受付』と言われた。しかし、電話がまったくつながらずに解約の受付期間が過ぎてしまい、さらに商品が届いて代金を請求された」といったケースもあります。
point4 注文最終確認画面を細心チェック 購入に迷ったときも188へ
特定商取引法では、「顧客の意に反して売買契約等の申込みをさせようとする行為」を行政処分の対象としています。
しかし手口が非常に巧妙なので、トラブルに歯止めをかけることはなかなか難しいようです。
だからこそ、トラブルにあわないための予防策が重要になります。
まず何より、購入する前に購入条件や返品特約をしっかり確認することが大切です。
商品代金があまりに安くなっているときは、とくに注意したほうがよいでしょう。
強調表示が多数使用されている通販サイトでは、購入条件や返品特約を見逃さないようにしてください。
また、特定商取引法などで「注文内容の最終確認画面では、購入条件の主な内容を消費者が容易に確認できるようにしなければならない」旨が定められています。
支払代金が購入代金と同じか、購入条件や返品について何か表示されていないかを確認してください。
表示内容は、万一のために、そのページのスクリーンショットを撮るなどして記録しておくとよいでしょう。
事業者に返品や解約申込みの電話をしてもつながらない場合は、電子メールやFAXなどほかの方法でも連絡をしてみましょう。
その際、連絡をした証拠としてその記録を残しておくことを忘れずに。
トラブルにあってしまったときはもちろんですが、商品の購入時に不安を感じて購入に迷ったときでも、消費者ホットライン188番へ相談してください。
早めの相談がトラブル回避につながります。
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関連サイト
「『お試し』のつもりが定期購入契約に!激安価格で欺く悪質なネット通販」に関連する情報として、以下もご覧ください。
- 相談激増!「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?―解約したくても「解約できない」、「高額で支払えない」…―
(国民生活センターHPへリンク)
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「わたしはダマサレナイ!!」のほかにもお役立ち連載がいっぱいです。