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わたしはダマサレナイ!!

第29話 電子(デジタル)ギフト券購入詐欺

プリペイド決済の便利さを悪用したトラブルが急増中!

近年若年層を中心にインターネットで音楽やゲームなどのデジタルコンテンツをダウンロードして購入することが日常的になってきました。

その際、インターネットバンキングでの振込やクレジットカードのほか、最近その利便性から利用が広がっている新しい仕組みが、「サーバ型プリペイドカード」による電子決済です。

自分がチャージ(入金)した価値(お金やポイント)を管理会社のサーバで管理するもので、

  1. 入金された金額の範囲内でしか使えないため使い過ぎの心配がない、
  2. 審査が不要で誰でも使える、
  3. インターネットやコンビニ、量販店などで購入でき、カード裏面に記載された文字列を入力するだけですぐに決済できる、

などのメリットがあり、電子(デジタル)ギフト券としても利用されています。

  • サーバ … ネットワーク上で他のパソコンなどに機能やサービスを提供するコンピュータ

しかし、こうした仕組みを十分に理解しないまま安易に利用し、トラブルに巻き込まれるケースが増えています。

point1 サーバ型プリペイドカードの仕組み

プリペイドカードにはいくつかの種類があります。テレホンカードや図書カードなど磁気で金額を管理する使い切りタイプや、交通系のSuicaなど、ICチップに金額や履歴を記録しチャージもできるICカードなどは私たちの生活にすっかり浸透しています。こうしたプリペイドカードはカードそのものが有価証券(金券)として使われているため、カードそのものが第三者の手に渡らない限り悪用されることはありません。

しかし、カードの価値(利用可能金額)がサーバで管理されているサーバ型プリペイドカードのカードレスのタイプでは、カードは存在せず、インターネットの指定された画面に16桁の数字や文字を入力することで事前にサーバにチャージ(入金)されたお金が業者に支払われる仕組みとなっています。この16桁の管理番号そのものに価値があるので、第三者にプレゼントとして番号を伝えて使ってもらうという便利な利用法がある一方、管理番号が悪意のある第三者に知られてしまうと勝手に使われてしまうリスクがあります。

point2 どうしてこんなに簡単な手口で被害に?

今回紹介した事例を簡潔にいうと「クレジットカードを限度額まで使い、さらにキャッシング枠いっぱいのお金を引き出して用意した電子ギフト券で、価値のないアクセサリーを悪質業者から買ってしまった」ということになります。いくらモデルの勧誘で気分が良くなったり、後で返金されると業者に言われたからとはいえ、60万円ものアクセサリーをこんなにも簡単に購入してしまうものでしょうか。通常であればかなり怪しい話と感じるでしょうし、そもそも社会人1年生なのに60万円という大金を借金すること自体、普通は思いとどまるはずです。

ここに現金をだまし取る詐欺ではなく、すべての決済が画面上で行える仕組みを悪用した詐欺の巧妙さがあります。

画面上での作業は、自分の購入した管理番号を相手のメールアドレスに送るだけですが、実際は業者にお金を振り込むことと同じです。すべて画面上で行われることから現実感が乏しく、またさまざまな登場人物が言葉巧みに誘導するため、被害者本人はこの契約の不審な点に気がつかず、自分が借り入れたクレジットカード会社からの請求が始まってから現実に引き戻され、「よく考えてみれば…」と被害に遭ったことを実感するのです。

point3 管理番号が悪質業者に渡ると被害回復は困難

この事例では、被害者が通販サイトで電子ギフト券を購入しますが、クレジットカードの利用限度額内であれば簡単に購入できます。また悪質業者にプリペイドカードの管理番号を渡すこと自体に違法性があるわけではありません。悪質業者はカードの管理番号を入手したらすぐに使ってしまいますから、だまされたことに気づいた時には、カードに価値が残っていないケースがほとんどです。ただ、業者が営業所とは考えられない場所でアクセサリーやエステの契約をさせていることから特定商取引法の訪問販売に該当し、クーリング・オフの対象となる可能性が高く、この場合、契約内容を記した書面の交付を受けていて、その中には、商品が特定できるような品質等の記載があることが必要です。さらに「無料エステが受けられる」「キャッシュバックで負担はゼロ」などのセールストークが特定商取引法の不実告知に該当する可能性もありますが、多くの場合、業者と連絡が取れなくなってしまい、被害を回復することは極めて困難です。

こうした被害に遭わないためには、自分の財産に結びつくような情報を第三者に渡さないこと、そしてインターネットの活用においては、常に「現実感」をしっかりと持つことが大切です。

マンガで分かりやすく解説!

漫画 てらかわよしこ

第29話 電子(デジタル)ギフト券購入詐欺(PDF 788KB)

監修:
消費生活専門相談員 渡邊 千穂

スマートフォンでマンガ!電子ブックで金融トラブル防止について学ぼう。

第29話の内容を電子ブック(epub形式)として読むことができるようになりました。
詳しくは以下のリンクまたはQRコードから。

電子(デジタル)ギフト券購入詐欺

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関連サイト

「電子(デジタル)ギフト券購入詐欺」についての詳しい情報は、以下をご覧ください。

くらしに身近な金融知識をご紹介する「くらし塾 きんゆう塾」

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