わたしはダマサレナイ!!
第36話 ワンクリック請求・架空請求の被害救済をうたう悪質な相談窓口にご注意!
アダルトサイトや架空請求の詐欺被害を相談し、二次被害に遭うトラブルが増加
全国の消費生活センターには、「パソコンなどでアダルトサイトの画面をクリックしたら、突然登録料を請求され、怖くて支払ってしまった」、「スマートフォンに『有料動画の未納料がある。支払わないと法的手続きに移行する』とショートメッセージが届いたが覚えがない」などワンクリック請求や架空請求の相談が後を絶ちません。
また、最近では、こうしたトラブルに遭遇した消費者が、あわててインターネットの検索サイトで相談先を探したものの、相手が悪質業者で、さらにお金を支払わされたという相談が急増しています。
point1 自治体の相談窓口と思って相談したつもりが、実は悪質業者
インターネットの検索サイトでワンクリック請求の相談先を探すと、「詐欺被害救済」をうたう相談窓口が検索結果の上位に登場します。頭の中が真っ白になっている被害者は、自治体の相談窓口と思い込み電話をしてしまいます。冷静に考えれば、不審な点はいくつかありますが、あわてている被害者はこうしたことには気がつきません。
point2 不安をあおり、契約をせかすも、業者に「返金交渉」を行う権限はない
悪質業者は被害者に電話では「このサイトは裁判してくる」、「勤め先に嫌がらせがくる」などと言って不安をあおるとともに、「解決できる」、「請求を止める」、「サイトに返金させる」と請け合い、契約書をFAXで送り契約をせかします。しかし、そもそもこうした悪質業者には請求を止めたり、支払ってしまったお金の返金交渉をすることは法律上認められていません。報酬を得てこうした交渉を行えるのは、弁護士などの一部に限られています。
point3 実際の相談事例で多いのは、相談した相手が探偵業者であったというケース
自治体の消費生活センターを装う悪質業者はいろいろですが、実際の被害例を見ると、探偵業者であることが非常に多いようです。被害者は、よもや相手が探偵業者とは思わず、「これでサイトと交渉してもらえる」と思って申込みし、お金を支払ってしまうのですが、後で契約書をよく読むと「調査依頼」ということになっています。それもそのはず、探偵業者ができる業務は「調査を行い報告すること」です(もちろん、この「調査」は請求を止めたり、お金を取り戻すためには、まったく役に立ちません)。
つまり、悪質な探偵業者は、電話では「サイトと返金交渉をする」などと言っておきながら、契約書面上はあくまでも探偵業の範囲で依頼を受けたかたちにします。このため、後になって、相談先が自治体の消費生活センターではなかったことが分かり、返金を求めたとしても「調査は終わったので、返金は一切できない」と言われ取り合ってはくれません。こうして、ワンクリック請求の被害は解決しないまま、さらに二次被害に遭ってしまうのです。
point4 二次被害に遭わないために
①探した相談先が、本当に自治体の消費生活センターかの判断ポイント
一見すると、自治体の消費生活センターと勘違いさせるような名称を使っている場合でも、連絡先がフリーダイヤルの場合は、自治体の消費生活センターではありません。また、詐欺被害救済を強調したり、契約にお金がかかる話が出た場合は自治体の消費生活センターではありません。
②契約書の内容をよく読む
契約書をよく読めば「サイトからの請求をストップさせる」、「登録を解除するよう交渉する」といった内容ではなく、「調査」の依頼であることは分かるはずです。探偵業者が行う「調査」はトラブル解決にはならないことは先に説明したとおり。業者にせかされても、契約内容を声に出して読む、少し時間をおいて第三者に相談するなど、冷静さを取り戻しましょう。
③ワンクリック請求・架空請求などのトラブルは自治体の消費生活センターに相談
自治体の消費生活センターでは消費者からの相談を受け、トラブル解決のための助言をしたり、必要に応じて事業者のあっせんを無料で行ったりしています。トラブルに遭っても、あわてて被害救済をうたう業者に連絡せずに、地元の消費生活センターに相談しましょう。連絡先が分からない場合は、消費者ホットライン「188(いやや)」番に電話してください。
スマートフォンでマンガ!電子ブックで金融トラブル防止について学ぼう。
第36話の内容を電子ブック(epub形式)として読むことができるようになりました。
詳しくは以下のリンクまたはQRコードから。
関連サイト
「ワンクリック請求・架空請求の被害救済をうたう悪質な相談窓口にご注意!」についての詳しい情報は、以下をご覧ください。
- 「アダルトサイトとのトラブル解決」をうたう探偵業者にご注意!(国民生活センターHPへリンク)
- 「詐欺被害の解決・返金をうたう探偵業者」(警視庁HPへリンク)
くらしに身近な金融知識をご紹介する「くらし塾 きんゆう塾」
「わたしはダマサレナイ!!」のほかにもお役立ち連載がいっぱいです。