第23話 高齢者へのアダルトサイト架空請求

高齢者へのアダルトサイト架空請求とは？

アダルトサイトなどの架空請求は都内の消費生活センターなどでの相談案件の中で現在一番多い被害の一つです。男性ばかりではなく女性の被害者も多く、老若男女を問わない相談といえます。

高齢者の被害者はパソコンの利用者が多いようです。よく利用するサイトや、調べ物などをしているときにふと目に留まり、好奇心からサイトに接続してしまっただけで被害に遭ってしまうのです。被害者はアダルトサイトに接続しただけで、金銭を支払う契約をする意思はもちろんありません。ところが、どこかをクリックするだけで悪質業者に「契約した」と主張され、高額な請求をされます。そもそも料金がいくらなのかを事前に知らされていなければ契約内容に「合意」はなく、契約は不成立です。また電子消費者契約法では、ネット取引の場合、消費者が自分の契約内容を確認・訂正できる措置を事業者が講じていなければ、錯誤による契約の無効を主張できるのです。しかし、こうした知識が不足しているため、被害者は「登録されました」などの文言が画面に表示されただけで、慌てて悪質業者に連絡を取ってしまいます。実はこの業者への連絡こそが一番してはならないことなのです。これにより電話番号やメールアドレスなどを相手に知られてしまい、悪質業者からの一方的な架空請求の督促が始まるのです。

解約を申し出ても、「払え」の一点張りです。さらに悪質業者からの執拗な請求が続きます。支払わないと請求画面がパソコン画面に張り付く仕掛けもあり、家族に知られてしまいます。被害額は数万円～十数万円ですが、被害額以上に、大きな精神的ダメージを受けます。

こうした被害に遭わないようにするには、トラブルが起きそうなサイトとの関わりを断つことを心がけてください。

もしこうした被害に遭った場合には、支払う前に地元の消費生活センターなどに相談しましょう。