わたしはダマサレナイ!!
第35話 実態不明のレンタル事業契約トラブル
元本保証で高収益をうたうレンタル事業詐欺が増えています
「元本保証で高収益」との触れ込みで、レンタル料を受け取ることを目的に業者から商品を購入し、その商品を第三者に貸し出すレンタル事業の勧誘が見られます。ただ、契約を結んだものの、レンタル料が支払われない、業者と連絡が取れなくなったなどといった被害が増えています。
point1 「社会貢献」をキーワードに近寄る悪質業者
普段、投資話には見向きもしない人でも、それが環境保全や社会貢献の意味を持つと言われると、心が少し動かされるかもしれません。悪質業者は、そうした人の心に付け入ってきます。
例えば、環境配慮型エネルギー事業の意義を説明したうえで、この事業に投資することで高収益を上げるだけでなく、環境保全にも貢献できるのだと持ちかけてくるのです。
point2 立派なパンフレットとそれらしい契約書、高収益の約束
悪質業者からの電話によるアプローチに少しでも関心を示すと、相手はすぐに自宅を訪問してきます。そして、事業内容を説明した立派なパンフレットを見せながら、「あなたが購入したソーラーパネルを当社がいったんお預かりして、さらに第三者にレンタルしませんか。面倒な事務手続きは一切当社にて行います」と契約を持ちかけます。
そして、ソーラーパネルに対する需要は多く、レンタル料は銀行にお金を預けるより高収益になることを強調します。
ソーラーパネルの写真や商品番号、それらしく作られた契約書や約款を見て、被害者はすっかり相手を信じて、契約してしまいます。
point3 きちんとした振込みで信用させ、口数を増加させた後、連絡が途絶える
当初は約束通りにレンタル料が振り込まれるのを確認し、被害者はすっかり安心してしまいます。
このようなタイミングを見計らってか、悪質業者は「もう少し口数を増やしませんか」と持ちかけてきます。これまでの振込みが順調に行われていることで相手を完全に信用してしまっている被害者は、言葉巧みな勧誘を受け、口数を増やしていきます。
しかし、その後お金の振込みは途絶え、のらりくらりと言い訳する業者とも連絡が取りにくくなり、ついには電話がつながらなくなって、被害者はようやく騙されたことに気づくのです。
point4 事業の実態を確認できない場合は絶対に契約しない
こうした詐欺に遭わないようにするにはどうしたらよいでしょうか。
まず、大事なお金を見ず知らずの相手に預けるのですから、相手方の実態を確認することが重要です。そうした観点からは、レンタルで扱う商品の存在や相手方が行っている事業の実態を確認すべきです。今回の事例では、そもそもソーラーパネルを自分で受け取ることは現実的ではありませんから、パネル・メーカーの出荷証明書や実際の設置状況を確認したいと業者に申し入れ、受け入れられないようなら、契約自体を疑うべきです。パンフレットやWEBサイトが立派だというだけで、相手を判断してはいけません(それらしいパンフレットやWEBサイトは簡単に作ることができます)。相手の実態も確認できないのに、見切り発車で契約することは絶対にしてはいけません。
また、たとえ業者が実際に何らかの事業を手がけていたとしても、その後経営に行き詰まり、お金だけ集めて逃げ出してしまう場合もありますので、実在の企業だからというだけで信用できるわけではありません。
事業の実態を確認できない場合はもちろん、仮に事業を行っている場合でも、その事業が破綻した場合にどんなリスクがあるのかを確認すること。これができない場合は、やはり契約してはいけません。また多額の契約の場合は、1人で判断せず、必ず家族など周囲の人に相談して冷静になってみましょう。
業者と連絡が取れなくなった後はもちろん、仮に業者と連絡が取れたとしても、払い込んだお金を取り戻すことは非常に困難です。ただし、業者の営業所以外でソーラーパネルの購入契約をした場合、特定商取引法により、クーリングオフや契約の取り消しができる場合があります。困ったときはすぐに最寄りの消費生活センターに相談しましょう。
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