わたしはダマサレナイ!!
第58話 「勝手に契約を切り替えられた」、「料金が高くなった」 電力契約の訪問販売トラブルが若者に急増
point1 増加する電力契約関係のトラブル 若者の割合が3年間で4倍以上に
電力の小売りが全面自由化され、消費者は、従来の地域の電力会社以外の小売電気事業者と電力契約ができるようになりました。
そして、小売電気事業に多くの事業者が参入し、独自の料金プランなどによる契約の勧誘を行う一方、訪問販売による悪質な勧誘トラブルが多発しています。
全国の消費生活センターなどに多数の相談が寄せられ、近年は10歳代・20歳代の若者からの相談が急増。
2018年度は4995件中6%だった若者の割合は、2021年度は6413件中27%を占めています。
成年年齢引下げにより、若者に被害が広がらないよう、消費者庁では悪質な勧誘等の監視を強化しています。
point2 勧誘トラブルを3つに分類してトラブル防止策をチェック
訪問販売による電力契約の勧誘トラブルにはさまざまなケースがありますが、大きく3つに分類できます。
各トラブルのケースを知り、防止策をチェックしましょう。
Ⓐ電気料金が高くなった
「毎月の電気料金が安くなると説明されたのに、逆に高くなった」という最も多いケースです。
知らない間に有料のオプションサービスが追加されていたケースもあります。
小売電気事業者には、契約時に料金を含む供給条件の書面による説明義務が課せられていますが、それを怠ったり故意に行わなかったことが主な原因と考えられます。
契約プランの料金算定方法と契約者の電力使用状況によっては、現在より電気料金が高くなることがあります。
例えば、基本料金が安くなる契約プランでも、従量制で電力量料金の単価が高ければ、電気使用量が多い契約者は電気料金が高くなってしまうのです。
防止策
毎月の電気料金の算定方法や、無料のオプションサービスなどがある場合は対象期間や期間終了後の扱いなど、契約内容を納得するまで説明してもらいましょう。
また、その場での契約は避けて契約内容をよく確認し、現在の契約内容と比較検討することが大切です。
Ⓑ虚偽の営業で契約させられた
大手電力会社やその委託先などと偽って勧誘し、大手電力会社とまったく関係ない契約プランを契約させるケースが多く見られます。
「マンション全体の契約変更」、「大家さんから契約説明の許可をもらった」など、虚偽の勧誘文句で契約をさせる手口も見受けられます。
防止策
訪問してきた事業者の社名や連絡先、訪問の目的、電力の契約先を必ず確認してください。
マンション全体の契約変更などと言われたら、その場で管理会社などに連絡をして事実確認をしましょう。
Ⓒ勝手に契約先を切り替えられた
検針票を事業者に見せたら、いつの間にか契約先を切り替えられていた悪質なケースが報告されています。
防止策
検針票の情報だけで、契約先の変更が行えます。
安易に教えたり、検針票を渡したりしてはいけません。
そのほか、契約内容によっては解約時に解約金が発生することもあります。
契約前に、解約条件をしっかり確認しておく必要があります。
point3 契約してしまった場合の対処法 クーリング・オフができることも
事業者から訪問されて契約した場合、特定商取引法が定める契約書面を受け取った日から8日以内であれば、原則としてクーリング・オフ(無条件での契約解除)ができます。
意図しない契約をしてしまった場合には、すみやかに事業者にクーリング・オフを伝えてください。
トラブルになったときや、契約前でも不安や不審に思ったり、電力契約の制度や仕組みなどについて不明な点があれば、電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口や、消費者ホットライン188に相談してください。
マンガで分かりやすく解説!
マンガ まきのこうじ
第58話 「勝手に契約を切り替えられた」、「料金が高くなった」 電力契約の訪問販売トラブルが若者に急増(PDF 5,307KB)
監修:
NACS消費者相談室 大井 菜子
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関連サイト
「『勝手に契約を切り替えられた』、『料金が高くなった』 電力契約の訪問販売トラブルが若者に急増」に関連する情報として、以下もご覧ください。
- 電気代が安くなる⁉ 電力契約の訪問販売トラブル
(国民生活センターHPへリンク)
万一の相談先
電力・ガス取引監視等委員会相談窓口
☎03-3501-5725
(平日9時30分~18時15分)
消費者ホットライン
☎188(「いやや」と覚える)
- 最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。相談受付時間は相談受付先によって異なります。
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「わたしはダマサレナイ!!」のほかにもお役立ち連載がいっぱいです。