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わたしはダマサレナイ!!

第44話 法務省や裁判所から身に覚えのない訴訟告知が!公的機関を装った「ハガキ架空請求」が急増

point1 後を絶たない「ハガキ架空請求」相談件数は1年間で50倍に!

実際には契約していない商品やサービスを、あたかも契約しているかのように思わせて請求書を送りつけてくる架空請求。

その相談件数は2017年で約19.9万件と、消費生活相談件数全体の約2割を占めるまでになってきています。とくに増加している手口がハガキ架空請求です。

2016年は約2,000件だった相談件数が、2017年には約10万件へとおよそ50倍に急増しました。

その大きな特徴として、ハガキの差出人が法務省や裁判所など公的機関もしくはそれを連想させる名称になっていることが挙げられます。

公的機関を装った請求である点が消費者に信用されやすく、さらに「訴えられている」という心理的な不安を巧みに利用した手口といえます。

郵便物であり目に見える形で手元に届くため、住所や氏名を知られていると思ってしまうことも、メールやSNSと比べて請求に応じてしまいやすい要因となっています。

point2 無視すると訴訟になるのでは?消費者の不安をあおる基本手口

手口のほとんどは「地方裁判所管理局」や「法務省管轄支局◯◯センター」など、公的機関にありそうな名称で、ハガキや封書が届きます。

内容も、「料金未払いに関する民事訴訟として訴状が提出された」といったようなことが記載されています。

身に覚えがなく、「総合消費料金」、「特定消費料金」など耳にしたことのない架空の料金名に疑問を抱きながらも、「ご連絡なき場合、原告側の主張が全面的に受理され、執行官立ち合いの下、差し押さえを強制的に執行」といった文面に「無視すると訴えられ、金銭の支払いを命じられてしまうのでは?」と不安になってしまいます。

さらに「訴訟最終告知」、「間近に迫る訴訟取り下げ最終期日」、「連絡はご本人からのみ受付」といった内容に、誰かに相談する余裕もなく判断力を失ったまま、ハガキにある問合せ窓口に電話をしてしまうのです。

問合せ窓口に訴訟内容を尋ねると「こちらでは分からないので担当弁護士を紹介します」などといわれます。

紹介された弁護士に訴訟内容を尋ねると、情報開示請求といったもっともらしい名目で費用を要求されます。

その費用を支払った後も、原告への示談金、示談金の上乗せなど金銭の要求が続き、消費生活センターなどに相談して初めて「だまされた」と気づくケースが多いようです。

また、金銭の支払い要求手口で最近の主流は、プリペイドカードを利用したもの。

これは、高齢者を中心に「プリペイドカードの番号を教える=金銭授受」という意識が低く、支払い要求に応じやすいため、といわれています。

悪質業者にとっては振り込め詐欺のような受け子が不要、他者のアカウントで金銭のやりとりを行えるなど、足が付きにくいことも一因のようです。

point3 対処法の大前提は「無視」「正式な訴状の届き方」を知っていれば怖くない!

大前提として、法務省が訴状を送ることはなく、裁判所が「金銭の支払いを命じる通知」を送ることもないので、従来の架空請求同様に無視してかまいません。

そうはいっても、ハガキや封書が届くと不安になってしまうかもしれません。

その場合にも、正式な裁判手続きの通知(訴状)がどのように届くかを知っていれば、偽物の訴訟ハガキを見破ることができます。

まず、正式な訴状は必ず封書で送られてきますので、ハガキの時点で偽物です。

封書で送られてきた場合でも、知らないうちに郵便受けへ投げ込まれていたなら偽物です(正式な訴状は、郵便局員が直接名宛人に手渡す「特殊取扱郵便」で届きます)。

そして、封書の表の面には「特別送達」と記載されていることも、重要なチェックポイントになります。

point4 焦る必要はなし 不安に思ったらまず相談!

万一、思い当たることがある場合や特別送達で届いた封書でも、用心としてそこに記載されている問合せ先には連絡せず、電話帳や消費生活センターなどで調べてから連絡しましょう。

悪質業者は名簿からランダムにハガキを送っており、家まで押しかけてくることはまずありません。

また、異議申立ては通常2週間ほど期間が設けられており、通知が届いても焦って対処する必要はありません。

身に覚えがなくても「訴えられたら恥ずかしい」などと思ってしまい、誰にも相談しないでだまされてしまう人も少なくありません。

少しでも不安を覚えたり、トラブルにあってしまった場合は、すぐに消費生活センターや警察に相談することがトラブル回避と解消につながります。

マンガで分かりやすく解説!

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第44話 法務省や裁判所から身に覚えのない訴訟告知が!公的機関を装った「ハガキ架空請求」が急増(PDF 1,480KB)

監修:
NACS消費者相談室 大井 菜子

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法務省や裁判所から身に覚えのない訴訟告知が!公的機関を装った「ハガキ架空請求」が急増

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