わたしを守る「生命保険」
6. 生命保険を見直す
(4) 保険料の支払いをやめたいなら「払い済み」を検討する
20代、30代で、年金保険や終身保険など貯蓄タイプの保険に加入したけれど、途中で収入が減ったり、支出が増えたりして、保険料を支払い続けるのが難しくなることがあります。すぐに解約してしまう人もいますが、解約すると、それまでに払い込んだ保険料の一部しか戻ってこないことが多いのです。
保険料の支払いをやめたいなら、「払い済み」が使えます。以後の保険料の払い込みを中止するが、保険を解約しない方法です。そのときの解約返戻金をもとに、従前の契約と同じ保険期間で同じ種類の保険(あるいは養老保険)に変更します。ただし、保険金は、従前の契約の保険金より少なくなります。また各種の特約は、変更した時点で消滅します。
「1,000万円の終身保険に加入しているが、保険料を払い続けることができない」というとき、解約すると保障(死亡保険金)はゼロになります。しかし、払い済みにすれば保険金の額は、1,000万円が500万円や200万円に減りますが、一定の保障は残ります。また、解約返戻金の額が現時点で払った保険料の合計より少ない場合でも、何年か待てば払い込んだ分と同額になり、さらに年数が経過すればプラスになります。
「払い済み」は、保険会社から勧められることはまれです。自分から問い合わせて手続きをする必要があります。最低保険金額や加入期間など、一定の条件があります。解約返戻金がゼロまたは少ない場合は、払い済みに変更することができず、保険の種類によっては利用できないことがあります。まず、保険会社に問い合わせ、それでも分かりにくいときは、中立的な専門家に相談しましょう。