わたしを守る「生命保険」
2. 上手に選ぼう
(3) 保険以外の手段と比べる
「生きるため」、「死んだときのため」、どちらも、保険だけが備える手段ではありません。
医療保険を考える
入院や手術には、医療保険に頼らず貯金で備えることもできます。
病気で60日間入院し、手術を1回したとします。入院給付金5,000円、手術給付金1回5万円の医療保険を契約していたら、計35万円の給付金が払われます。
この医療保険の保険料が月2,000円(年24,000円)程度なら、医療保険で備えてもよさそうです。
この医療保険の保険料が月10,000円(年120,000円)だったらどうでしょう。保険料分を貯金したら5年間で60万円です。貯金額が保険の給付金を上回ります。
医療保険を考えるときは、貯金など保険以外の方法も考え、比べて、納得できたら契約するといいでしょう。
死亡保険を考える
夫だけが働き手、妻が専業主婦で子どもがいる家庭なら、夫が亡くなったときに備えて、死亡保険(定期保険など)を契約すると、合理的です。夫の収入が途絶えても、残された家族が生活を続け、子の教育費を支払うことができます。
十分な「家賃収入」があるアパートを持っていたり、数千万円の貯金があったり、妻や夫の実家から十分な援助を期待できるなら、夫が亡くなっても経済的には困りません。保険に入らないという選択もできます。また、夫が亡くなっても死んだら妻が働いて稼ぐから大丈夫という夫婦の場合も、死亡保険は必要ありません。共働きの場合は、死亡保険は不要か、小さい額で足りる場合がほとんどです。
貯蓄型の保険を考える
お金を貯める保険には、教育費を貯める「学資保険」、「子ども保険」、老後資金を貯める「年金保険」などがあります。これらの目的のためにも、保険を使わず、預貯金や投資型の金融商品などで貯めることができます。老後資金づくりのためには「個人型確定拠出年金(iDeCo)」や、自営業者なら「小規模企業共済」など、税金面で優遇される制度もあります。
それぞれの商品、制度の仕組み、メリットとデメリットをよく理解しましょう。そのうえで、保険で貯めるか、それ以外で貯めるか、両方で貯めるかを決めるといいでしょう。