活動内容・方針
2012年度活動方針
2.2012年度の活動方針
人々が日々、健全に生活していく前提として、お金や金融・経済についての知識や判断力の重要性が一段と高まっている。それと同時に、人々が必要としているお金や金融・経済についての情報は多様化している。すなわち、情報技術革新や経済のグローバル化に伴い、金融商品・サービスの多様化や複雑化が進み、リスクとリターンの理解に必要な情報が多様化している。また、東日本大震災の発生や国際的な金融資本市場の緊張の高まりを受けて、将来の不確実性やリスクへの備えに関する人々の関心が高まっている。
人々が必要とする情報は、年齢層や家族構成によっても異なる。たとえば、若年層や勤労世代は、人口減少・高齢化のもとで、新たな経済発展を担ううえでの金融・経済問題への理解や将来への生活設計に役立つ情報を必要としている。高齢者やその家族は、近年増加している金融に関する消費者トラブルに巻き込まれないための情報を必要としている。また、学齢期の児童・生徒は、発達段階に応じた金融教育を通じて、複雑化する経済・社会のなかで健全に生活していく力を身につけることが求められている。
一方、学校教育の現場においては、学習指導要領の改訂によって金融・経済教育に関連する記述がより充実したものとなってきている。こうした環境の下で、当委員会の活動を学校教育に一層結びつけることができれば、金融教育をより効果的に支援できるものと考えられる。
この間、金融知識の普及や金融教育の支援を進めていくにあたっては、一段と効率性を重視しながら活動を進めることが必要である。
以上の状況認識のもと、当委員会では「必要とされる情報を、効果的に伝えよう」を2012年度の活動テーマとする。これは、「金融知識の普及や金融教育の支援において、その対象が必要とする情報の内容や利用する情報媒体は、年齢層等によって異なるため、相手方のニーズに応じた情報を効果的な方法で伝えていこう」という趣旨である。
こうした活動テーマに沿って活動を進めるに当たり、とくに学校における金融教育の支援を重点項目と位置付け、各種の取組みを行う。すなわち、従来から実施している教員向けセミナーについて内容を充実させることに加えて、(1)各地教育委員会関係者や学校長の方々への情報提供、(2)教員の方々に対する研修を企画・実施する機関との協力関係の構築、(3)教職課程を有する大学への情報提供、(4)当委員会が提供する金融教育教材の使い勝手を高めるための工夫、に積極的に取り組むこととする。このほか、各種の活動を進めるに際しては、次の事項に配意していく。
- 活動の相手方となる人々の特性に応じた情報ニーズの把握に当たっては、「金融力調査」の結果や各地金融広報委員会、金融広報アドバイザー、関係官庁・関係諸団体等との情報交換の成果を活用していく。
- 関係官庁や関係諸団体との調整・連携をより一層進めることとする。その際、各関係先がどのような特性を有する人々への活動に重点を置いているか、また、各関係先の得意分野は何か、といった点を踏まえながら、より効果的な方法での連携に努める。
- 金融広報アドバイザーが各地域の実情や相手方のニーズに応じた多彩な活動を積極的に展開していけるよう、より一層効果的な活動支援を行う。
- 従来「金融教育フェスティバル」として実施してきた活動については、これまでの活動から得られた経験・ノウハウを活かしつつ、成人向け、親子向け、教員向けの3つの活動に分け、既存の他の取り組み(講演会や教員向けセミナー)との関係も整理したうえで、再構成する。
- 金融知識の普及や金融教育の重要性を巡っては、国際的にも活発な議論が行われており、そうした議論の動向も踏まえて活動していく。
以上のような考え方の下で、2012年度に予定している主な活動の取組み方針は別紙のとおり。