企業年金
第4部 企業年金の受け取り方~年金と一時金~
第1章 企業年金を年金で受け取るか、一時金で受け取るかを考えましょう
1.企業年金の受け取り方
(1)企業年金の受け取り方と金額
企業年金というと老後の生活費を補てんしてくれるものというイメージを持つ方も多いと思います。しかし、実際に老後に年金が受け取れるのは、企業年金のある企業に就職して定年まで勤めた場合が中心で、途中で退職や転職する場合には、退職時に一時金を受け取ることができたとしても、老後は年金を受け取ることができない場合もあります。また、そもそも企業年金のない会社もあります。人事院の調査(図表4-1-1)を見てみると、退職金制度がある会社は全体の約93%です。その中でも企業年金がある会社は約52%程度となっています。ただし、企業規模によってかなりの差があり、従業員1,000人以上の大企業の場合はおよそ9割の会社に企業年金があるのに対し、100人未満の企業では3割程度となっています。
企業年金は、勤めている会社により、年金や一時金で受け取る基準も金額も違います。また、たとえ同じ会社に勤めていても、一人ひとり金額も年金が受け取れるかも違う場合がほとんどです。
(2)受け取り方は「年金」と「一時金」。選択できる場合もある
企業年金の受け取り方には、「年金」と「一時金」の2つがあります。しかし、それぞれの企業年金や会社のルールによって、年金や一時金がどのような場合に受け取れるかが決まってきます。自分はどのような受け取り方ができるか確認しておきましょう。
また、企業によっては年金で受け取るか、年金の代わりに一時金で受け取るか選択できる場合もあります。このように年金と一時金が選べる場合は、どのようなポイントで選ぶとよいかを理解しておきましょう。