企業年金
第2部 各企業年金制度の詳細
第3章 厚生年金基金
1.概要としくみ
厚生年金基金制度は、社員の老後の生活保障のために、公的な年金制度である厚生年金にプラスして支給する企業年金制度として1966(昭和41)年にスタートしました。
厚生年金基金の数は1996(平成8)年度末にピークを迎え(1883基金)、その後徐々に減少し、新しい確定給付年金制度や確定拠出年金制度などのスタートを受けて大きく減少しました。
2012(平成24)年には運用会社の不祥事等が発端となって法改正が行われ、他の企業年金への移行や解散が促進されました。2016(平成28)年度末には110基金となり、2019(平成30)年1月1日現在ではわずか13基金となりました。
厚生年金基金の制度は、「厚生年金基金」という法人を別に設立し、運営します。そのしくみは、次の図にあるとおり、本来、国が運営する厚生年金保険の一部分を国に代わって行う「代行部分」と、厚生年金基金の「独自部分」とに、大きく分かれます。
「代行部分」では、国に代わって厚生年金保険の掛金を集めたり、掛金に見合った額の給付をしています。一方、「独自部分」は、それぞれの「規約」(基金で作ったルール)に基づいて掛金も給付も決めますので、自分が加入している基金の規約を知ることが大切です。
2.厚生年金基金の種類
厚生年金基金にもいろいろな種類があります。設立主体によって、次の3つに分かれます。
(1)単独型
会社が単独で基金を設立して運営します(例えば、○○(会社名)厚生年金基金)。
(2)連合型
主力企業を中心に、関連会社(グループ会社)が集まり、共同で基金を設立し運営します(例えば、○○(会社名)グループ厚生年金基金)。
(3)総合型
同業であることなど、一定のルールの下に会社が集まり、共同で基金を設立して運営します(例えば、○○業(業種名)厚生年金基金)。