金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
預貯金
預貯金の特徴
預貯金の特徴は、元本保証があることです(外貨預金も外貨建てでは元本保証がありますが、為替差損により円建てでは元本割れすることもあります)。
元本保証は、預けた資金(元本)が将来受取るときに目減りしないことを、金融機関が約束するものです。また、仮に、取扱い金融機関が経営破綻に陥ったとしても、預貯金は預金保険制度や農水産業協同組合貯金保険制度により一定範囲で保護されています。そうした意味で預貯金は、最も安全性の高い金融商品の1つといえるでしょう。
元本保証があることは、私たちが将来の生活設計を立てるうえで大切です。将来その資金を使おうと思ったときに大切な資金が目減りしていては困ります。目減りしては困る資金を貯めておくときには、元本保証があることが金融商品選びの目安になります。
貯蓄目標金額を貯めようとするときには、一定期間ごとに一定額を積立てる方式を使えば、効率的に達成することができます。
また、公共料金の引落しや給与振込に普通預金が使われていることも、他の金融商品とは違った特質です。日々動く資金の受け皿として利用できることから、最も身近な金融商品ともいえます。
預貯金の取扱い金融機関
預貯金は、全国各地にある金融機関で取扱われています。なお、預金と貯金と名称は違いますが、両者に実質的な違いはありません(以下、特に断りのない限り銀行の預金を代表として説明します)。
預金 | 貯金 |
---|---|
銀行 信用金庫・信用組合 労働金庫 |
ゆうちょ銀行・郵便局 農業協同組合(JA) 漁業協同組合(JF) |
預貯金の種類
銀行などで扱っている預貯金は、大別して、「期間の定めがなく、出し入れが自由な流動性預貯金(普通預金、当座預金、貯蓄預金など)」と、「預入期間の定めがある定期性預貯金(スーパー定期預金、大口定期預金など)」とに分かれます。
流動性預貯金のうち、「無利息・要求払い・決済サービスを提供できること」という3要件を満たす預貯金は決済用預金といわれ、普通預金の一部や当座預金がこれにあたります。定期性預貯金の換金は、原則として期間満了の日(満期日)に限られます。
預貯金の タイプ | 流動性預貯金 | 定期性預貯金 |
---|---|---|
名称 | 普通預金、当座預金、貯蓄預金、通知預金、納税準備預金 | スーパー定期預金、大口定期預金、積立定期預金、定期積金、期日指定定期預金、変動金利定期預金 |
期間 |
期間の定めがありません。 預金を自由に引出せます。 |
預入期間が定められています。 期間は、1か月、3か月、6か月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年などがあります。 |
役割 | 日常生活資金の出し入れ、いざというときの準備資金として便利です。 | すぐには使わない資金の運用、元本割れしては困る資金の保存、将来の支出計画に備えた資金積立てなどに利用できます。 |
預金の名前
金融機関の店頭に行くと、しばしばその金融機関にしかない名称の預金商品に出合います。これは、その金融機関独自の商品名、つまり愛称であることが一般的です。「たまてばこ」とか「スーパードリーム」などの名前は愛称です。
預金には、普通預金、貯蓄預金といった正式名称があります。正式名称がそのまま通称として用いられるケースもあります。それ以外に、「スーパー定期」や「外貨預金」のように各金融機関に共通した商品名が通称として一般化することもあります。
いろいろな呼び名があって、その預金商品のことがわからないときは、商品内容を確認して、それがどの種類かを特定することが重要です。種類を確認するには、まず期間の定めの有無に注目すると、流動性預金か定期性預金かの区別がつきます。
口座の開設
銀行と取引を始めるときには、普通預金口座を開設します。普通預金口座は、銀行でのあらゆる取引で中核となる受け皿機能を持っています。口座の開設には、印鑑と本人確認のための書類(運転免許証、健康保険証、パスポート、住民票の写しなど本人であることが確認できる書類)が必要です(注1)。
また、平成25年4月から、マネーローンダリング・テロ資金供与対策への国際的要請を受けて法令が強化され、口座開設の際には、本人確認書類の提示に加えて職業や取引の目的の確認が必要となりました(注2)。
金融機関窓口や郵送書類等による確認手続にご協力ください(金融庁HPへリンク)
- (注1)平成28年10月から健康保険証などの顔写真のない本人確認書類である場合には、そのほかに他の本人確認書類を提示するなどの追加の対応が必要になりました。
- (注2)10万円を超える現金での振込みなどの取引でも、同様の事情から本人確認が必要となっています。