金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
預貯金
新しいタイプの定期性預金
最近、預金商品の多様化が進んでいます。特に、スーパー定期の商品性にさまざまな機能やサービスを付けた預金商品が数多く登場しています。以下では、これらの金融商品の概要について、やや詳しく解説していきます。
利息分割受取型定期預金
利息分割受取型定期預金は、預入金額に応じてスーパー定期、スーパー定期300や大口定期預金(1,000万円以上)の定期預金として預入れることができます。預金者は、毎月、隔月など指定した期間ごとに利息を受取ることができますが、受取間隔は金融機関によって異なります。
預入期間
1年以上1年刻みで10年までの固定金利型が多いようですが、この他1年未満(1か月、3か月、6か月)のものもあります。
受取間隔
固定金利型の場合は、1か月、2か月、3か月、6か月のうちから、選択できますが、預金者が指定する期間(1か月、2か月、3か月、6か月毎など)に普通預金口座等へ振り替えることができます。
受取方法
普通預金または貯蓄預金口座への振込みとするものが多いようです。
<留意事項>
中途解約
スーパー定期など預入れた定期預金の中途解約利率により計算された利息とともに払い戻されます。ただし、中間利息を受取っている場合には、すでに受取った利息と中途解約利息の差額を精算します。場合によっては、中途解約利息が受取り利息を上回っていて、その差額を支払わなければならないこともあります。
部分解約可能型定期預金
一定期間経過後に、元本の一部を解約することができる定期預金で、スーパー定期やスーパー定期300の定期預金等として預入れることができます。一般的な定期預金は期限前に解約した場合は、(必要な金額の多少を問わず)全額解約となりましたが、この預金は、一部解約後の元本はそのまま存続します。
据置期間
預入後据置期間(6か月や1年)経過後はいつでも一部解約が可能となります(ただし、一部解約後の残高が10万円を下回る場合には、一部解約ができない場合があります。また、据置期間内の解約は全額解約となり、この期間に応じた解約利率が適用されます)。
解約利率
一部解約の部分については、期間前解約利率が適用され利息が支払われます。ただし、期間前解約利率は約定利率を下回りますので、解約せずに満期を迎えた場合よりもトータルの利息は少なくなります。
解約単位
1回の解約は1万円以上とするものが一般的です。
解約制限
取扱い金融機関によって、解約後の残高に制限を設けている(一部解約後の残高が10万円を下回る場合には、全額中途解約となるなど)場合があります。
預入期間
3年以上1年刻みで5年までとする金融機関が多いようです。
部分解約可能型定期預金のイメージ
据置型定期預金
この定期預金は、(1)最短1か月の据置期間経過後、最長預入期間10年までの間、一部あるいは全部の引出しが手数料なしで自由にでき、かつ、(2)預入期間が長くなるほど高い金利がつく、という特徴を持っています。
預入金額
1円以上を預入金額としている金融機関もありますが、1万円以上1,000万円未満(1円単位)と定めているところもあります。
利率
期間別の金利段階が設けられ、預入時点の金利段階が適用されます(固定金利型)。利息計算は通常半年複利です。なお、預入金額300万円未満・300万円以上で金利格差が付けられるのが一般的です。また、一時解約後の残高が300万円未満となった場合には、一部解約した金額部分とそれ以外の金額に対して異なる利率が適用されます。
据置期間
預入後6か月間とするものが多いようです。この据置期間経過後は引出すまでの期間に応じた利息(半年複利で計算)が支払われます。
預入期間
取扱い金融機関によって異なりますが、6か月以上で5年を最長とするものが多いようです。
据置型定期預金のイメージ
年金受給者向けの金利優遇サービス付き定期預金
年金受給者などを対象として、スーパー定期の店頭表示金利に金利を上乗せするサービスの付いた預金です。
対象
国民年金・厚生年金・共済年金等の年金受給者のうち、その金融機関で年金を受取る人が対象です。制度上、公的年金の受給資格を持たない65歳以上の在日外国人の方を対象とする金融機関もあります。
利率
店頭表示金利への上乗せ金利は、0.1%~0.2%ぐらいの幅がありますが、中には0.5%といったものもあります。継続の場合には店頭表示金利に戻るのが普通です。
<留意事項>
制限
取扱い期間が限定されるのが一般的です。期間は1年以内で、自動継続はないのが一般的ですが、利払継続とか元金継続できるものもあります。上限金額は100万円以内、200万円以内とするものから、中には1,000万円まで預入れ可能としている金融機関もあります。また、預入先は、年金受取口座のある1店舗のみとなっています。
懸賞金・懸賞賞品付き定期預金
金融機関では、定期性預金に懸賞金や懸賞賞品を付けるサービスを実施しています(定期性預金以外の預金に付けたものもあるようです)。懸賞の内容も懸賞金だけでなく、地域の特産物や旅行券など多種多彩です。ただし、懸賞賞品の内容や仕組みは金融機関によってさまざまなので、詳しくは各金融機関の店頭で尋ねるのがよいでしょう。
仕組み
一般的には、預けたときに懸賞金や懸賞賞品の当たる抽選券が配られたり抽選権が付与されます。その後、指定された抽選日に当選者が決まり、そこで当選した人には懸賞金などが送付されるものが多いようです。
条件
定期預金や貯蓄預金などの対象商品の新規預入れ、増額預入れをすればもらえるとするものが多いようです。
懸賞賞品
現金のほか、ギフト券、商品券、旅行券などの金券、テレビ・ビデオなどの商品、金利上乗せサービスなどがあります。なお、懸賞賞品の金額は、10万円(課税後約8万円)が上限となっています。
仕組預金
仕組預金は、一般の預金にはみられない特別の「仕組み」をデリバティブを利用して作っている金融商品です。円貨で預入れる定期預金以外に、外貨で預入れるものや、為替相場の成り行きで満期日に円貨あるいは外貨で受取るものや預入期間が延長されるものなどがあります。集められた預金はデリバティブ取引などで運用され、その運用益が預金利息にあてられます。一般的に高金利ですが、中途解約が原則としてできないという制約もあることから、商品内容をきちんと確認し、納得したうえで預入することが必要です。
取扱金融機関
一部の金融機関で取扱っています。
最低預入金額
50万円以上とか100万円以上という場合が多いようですが、中には300万円以上というものもあります。
預入期間
取扱い商品により異なりますが、期間延長(短縮)特約付預金については、概ね3年~10年の間で設定され、金融機関の判断により預入期間が延長(短縮)されることがあります。
利率
各金融機関が任意に設定します。
預金保険制度の適用
原則、適用対象です。ただし、外貨建の場合など商品によっては適用対象外となる場合があります。また利息等の一部分が対象外となります。したがって、商品内容に注意することが必要です。
<留意事項>
中途解約
原則としてできません。やむを得ず中途換金に応じる場合であっても、解約に係る諸費用を預金者が負担する結果、大きく元本割れする可能性があります。