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これより本文です

大学生のための 人生とお金の知恵

II. お金の知恵

4. お金の使い方

1) 価値の高い使い方

  • 「お金」の使い方として、大切なことは、「価値の高い使い方」をするということです。

  • 収入には限りがあります。お金は、有限貴重資源です。あることにお金を使うと、他のことには使えなくなります。このため、他のことに使うよりも、高い価値(満足や効果)が得られる使い方をしなければ、見合わないことになります。

  • お金は有限 ⇒「価値の高いお金の使い方」をしましょう

  • 何が「価値の高い使い方」かは、その人の価値観に依存します。人間の欲望には限りがありません。いろいろなものを買いたいと思うのは当然です。一方で、お金有限です。このため、自分の価値観に照らして、「どのように優先順位を付けるか」がポイントになります。

  • そのために役立つのが、ライフプランです。人間はどうしても目先の欲求を重視し、将来のことを軽視しがちです(コラム28参照)。このため、ライフプランを描き、中長期的な観点から優先順位を考えることが望まれます。
    コラム28将来のことを軽視してしまう

    • たとえば、「1年後に留学する」とのライフプランを立てていれば、目先のお金の使い方も、留学費用の確保を意識した使い方になります。

  • ライフプラン ⇒ お金の使い方に優先順位をつけましょう

2) お金の使い方の見直し

  • お金の使い方を見直すとき、以下の考え方が役立ちます。

消費と投資

  • 「消費」とは主に現在の満足のためにお金を使う(モノやサービスを費消する)こと、「投資」とは将来の価値や満足を高めるためにお金を使う(何かをあとに残す)ことです。

  • たとえば、大学に進学する費用は、さまざまな能力を高めるための「投資」と考えられます。一方、食事にお金を使うのは、一般的には「消費」です。

  • 「消費」「投資」境界はあいまいです。たとえば食事は一般的には「消費」ですが、プロスポーツ選手にとっての食事は「投資」の性質を持ちます。一般の人にとっても、栄養バランスのとれた食事は健康を保つうえでの「投資」の性質を帯びます(健康は非常に重要です)。コンサートに行くことは一般的には消費ですが、音楽関係の職業に就きたい人にとっては「投資」かもしれません。

  • お金の使い方を考えるとき、その支出は「(いまの満足のための)消費なのか、(将来に向けた)投資なのか」「消費的なのか、投資的なのか」と考えてみましょう

コラム6「自己投資」~自分の価値を高める使い方

  • 若い人にとって、「働く能力」を高めること(=世の中に提供できる価値を高めること)がとくに重要です。

  • 能力を伸ばすことに結びつくようなお金の使い方を心がけましょう。

  • 使えるお金は限られますので、投資額に対して効果が大きい使い方を考えましょう。

ニーズとウォンツ

  • 「ニーズ」(needs)とは必要なもの「ウォンツ」(wants)とは欲しいものです。

  • お金の使い方を考えるとき、「それはニーズ(必要なもの)か、ウォンツ(欲しいもの)か」と自問してみましょう。そして「必要なものを優先する」(欲しいものは余裕があるときに買う)ことを考えてみましょう。

  • 「ニーズ」「ウォンツ」境界があいまいです。大学の授業で使う主教材を買うことは「ニーズ」と考えられますが、授業の参考図書(図書館で閲覧・借用できるもの)を買うことは「ウォンツ」と考えることもできます。生活に不可欠な服を買うのは「ニーズ」ですが、気に入った高価な服を買うのは「ウォンツ」でしょう。

  • 収入、ライフプラン、価値観に照らしながら、「ニーズ的なもの」「ウォンツ的なもの」を区別していきましょう。

効果が大きいもの

  • 自分にとって重要なところにお金を振り向けるためには、日々のひとつひとつの支出を意識的に見直していくことが大切です。

  • とくに4つの支出を見直すと効果が大きいといわれます。

    • 金利がかかる支出」・・・クレジットカードの分割払い・リボ払い、ローンの利用など

    • 固定的な支出」・・・・・・・スマホ料金(プロバイダーやサービス内容の変更)、家賃(住み替え)、車(駐車場代、税、ガソリン等)、保険など

    • 特別な支出」・・・・・・・・・お金のかかる趣味・旅行・レジャー・交際など

    • 習慣になった支出」・・・たばこ、酒、喫茶店の利用、飲み会、賭けごとなど

コラム7お金の使い方と「社会」

  • 「お金の使い方を見れば、その人がわかる」ともいわれます。「お金の使い方」に関するポリシーは、ライフデザインライフプランの一部です。

  • 人々がお金をどのように使うか(消費者の購買行動)は、社会のあり方にも大きな影響を及ぼします。企業は、消費者の動向に応じて、どのような物を作り販売するかを決めている面もあります。消費者教育推進法(2012年成立)は、「消費者が、自らの消費生活に関する行動が、現在と将来の世代にわたって内外の社会経済情勢や地球環境に影響を及ぼし得ることを自覚して、公正で持続可能な社会の形成に積極的に参画すること」を基本理念としました。

  • 一方で、人々は企業のCM等によって消費行動を決めている面もあります。いろいろな情報を踏まえながら自ら判断し、主体的にお金を使っていくことが大切です。とくに社会人になり収入を得るようになったら、自分の収入から使うお金によってどのような「社会」を実現したいか、考えてみてください。社会貢献として、ボランティア寄付投資などさまざまな方法がありますが、日常の消費行動も社会のあり方に影響を及ぼします。

《演習5》 支出の見直し

  • 自分の1か月の支出を、見直してみましょう。

著名人・有識者が語る一覧をみる

  • 日本文学研究者・早稲田大学特命教授 ロバート キャンベルさん
  • 歌手・タレント・女優 森公美子さん
  • 映画字幕翻訳者 戸田奈津子さん
  
  • Let's チョイ読み!

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