第46回 全国婦人のつどい
「暮らしと金融・経済に関する消費者セミナー」
第二分科会講義(要旨)「悪質な金融商品の勧誘に備える」
ペイオフに備える
預金については、ちょっと復習をしておいていただきたいと思います。
銀行が破綻して、私は300万円しか持っていないから関係ないと思っている方がいらっしゃいますが、そうではありません。銀行が破綻すると、この300万円は預金ではなく保険金にかわります。
預金保険機構から送られてくる保険金支払請求書に署名捺印し、身分を証明するものを持って指定された場所に提出して申請しないと保険金はおりません。しかも一定の請求期間を過ぎると300万円は保険金として戻してもらえませんので、このことをしっかり覚えてください。
銀行の健全性の指標として一番役立つのが自己資本比率です。外国でも業務を行っている銀行は自己資本比率が8%以上でいいのですが、10%くらいを基準にしたほうがいいようです。国内だけの業務を行っている場合なら4%あればいいとされています。
また自己資本のうち、健全な銀行の資本・資産を示すティアーⅠ比率が高ければ高いほど自己資本の内容が健全です。どんな格付けを得ているかも見ておかれるとよいと思います。
生命保険で気をつけること
それから今、生命保険の転換に関わる苦情、被害が増えています。
転換とは、今まで入っていた保険を一旦解約して、その解約返戻金を新しい保険の頭金として新しい保険に入ることです。保険料は前と同じとか保障の内容が厚いといわれても、本当かなとよく考えなければいけません。転換をしてしまい非常に困った状況にある人など、転換の被害がとても増えています。
それで保険業法施行規則53条第1項第4号という施行規則ができました。転換する前の保険と後の保険、それぞれ重要なものを全部ピックアップして比較表を渡すと決まっていますので、必ず比較表で確認してください。また、転換以外にどういう見直しの方法があるかも説明しなければいけないと決まっていますから、転換以外の方法がないか、しっかり確認していただきたいと思います。