第45回 全国婦人のつどい
「暮らしと金融・経済に関する消費者セミナー」
全体会講義(要旨)「不良債権と私たちの暮らし」
大切なのは勉強すること
では「金融機関を見る目」をどう養うかについてです。金融機関を見る目を養うには、情報が重要です。情報とは、わかりやすく、誰でも簡単に入手できることが必要です。もう一つはその情報やいろいろな指標が、経営実態を正しく反映していることです。しかし、これらは実はなかなか充たされていないのです。
金融機関の経営状態を知りたいときには、銀行が発行しているディスクロージャー誌があります。銀行の健全性は、不良債権比率や不良債権に対する引当率を、収益性は利鞘や経費率をみて、といわれていますが、我々専門家でも判断するのはなかなかしんどいのです。それから、その銀行のディスクロージャー誌を見ても、他の銀行と比べてどうか、というのは全然わかりません。
一番申し上げたいのは、金融機関はまだまだ厳しい経営状況が続くということです。従って、皆さん方には是非そういう情報を少しでも集められて、勉強していただきたいということです。
皆さん方が一生懸命勉強されて、例えば3,000万円を一つの金融機関に預けているのは危ないので、1,000万円ずつ分散させると、その金融機関がつぶれた場合でも、損失を回避することができるわけです。そういうことをしていけば、自然と内容の良くない金融機関は整理淘汰されていきます。まさにそれがペイオフの解禁の狙いなのです。
ではそのためにどうしたらいいか。まず何よりも新聞やテレビのニュースをよくご覧いただきたいのです。あと2年間でペイオフが解禁の予定です。ということは、我々も用意をしなければいけない、ということです。だから一生懸命勉強をしてください。