第45回 全国婦人のつどい
「暮らしと金融・経済に関する消費者セミナー」
第一分科会講義(要旨)「先を見据え、今を生きる」
資産とは何か
お金のことについてどういうことを若い方に知っておいてもらったらいいでしょうか。 人間の豊かさが資産だと私は定義するのです。まず精神的な資産があります。これがないと人生の豊かさはないと思います。
それから生活文化資産です。お花を活けられるとか、楽器が演奏できるとか、歌が歌えるとか、陶芸ができるとか、こういうのはみんな生活文化資産です。
人的資産というのはいろいろな人とのたくさんのつながりがあることです。健康も資産です。
もう一つ、環境も資産といえます。大切な地球環境が壊れてはライフプランもなにもないので、守らなくてはいけないという意識を持つ必要があると思います。
資産家というのはこれを全部持っている人です。土地だけいっぱい持っていても心が貧しい人は資産家とはいえません。お金はそんなになくても、生活文化が豊かだとか、人間関係が豊かだというのは資産家です。
そういう資産を若い時から積み上げていきましょう。ただ、その中でお金もきちっと増やさなければいけないと考えていただくといいと思います。
貯蓄と節約
お金がたまる法則は、お金が入ってきたらまず貯蓄する分を取るのです。貯蓄とは何か。アメリカの子ども向けのテキストを見ると、Pay yourself firstと書いてあります。あなた自身のためにまず支払いをしなさい、それが貯蓄だというのです。
まず貯蓄計画を持たないといけません。この貯蓄計画は最低、手取り年収の2割をためていただきたいと思います。2割ためるとお金がたまる方向にいくのです。
それからローンはなるべく借りない。ローンを借りると、貯蓄する前に借入金の返済をしなければいけません。
最後は支出の予算管理で上限を決めることです。そして、クレジットカードをつくったら、上限を決めておく必要があります。
そこで節約の法則です。節約の法則で大切なのは、本当に必要なものと単に欲しいものとを区別することです。区別の基準は、その人の価値観です。本当に必要なものに優先順位をつけるのです。これも大切です。
雇用保険制度、これも若い方にとって重要です。雇用保険は6ヵ月以上被保険者で90日の基本手当がもらえます。6ヵ月以上勤めると90日の失業手当が出るわけです。5年以上になると30日分増えます。また、今の制度ですと5年以上働くと教育訓練給付金が使えます。
それから国民年金は40年間加入して年間で満額804,200円、生きている間ずっと出ます。しかも物価が上がれば同じように増えていきます。25年間加入して受給資格が得られますので、24年間しか払わなければ一銭ももらえません。これも重要なポイントです。