第45回 全国婦人のつどい
「暮らしと金融・経済に関する消費者セミナー」
第二分科会講義(要旨)「お金に関する子どもの疑問にどう答える」
お小遣いの意味
基本的に子どもの金銭教育というと、親の姿を見て、背中を見て子どもたちが学んでいるはずです。親が子供に対して向き合わなければいけないというのは、お小遣いをあげる時ではないかと思うのです。
小遣いというのは、渡し方にしても金額にしても、非常に難しいと思います。
こういう仕事をしているということで、私の家庭では金銭教育をあえて意識してずっと続けています。うちは1月31日になったらお年玉をもらった人に必ずお礼状を出させます。何に使ったか、どうしたいか、夢とか1年間の目標とかを書かせて出させます。ただ単にもらえると思うことは非常に問題だと思います。もらったものに関しては必ずお礼を出すというのは当然ということで、そうさせております。
私自身、小遣いを渡すにしても、仕事をして初めて小遣いを渡さなければいけないという意識を持っていました。お金は、ただ単に毎月予算制でもらえるものではない、自分がやるべきことをしっかりやって、初めて親から手渡されるという意識を持つことが非常に大事だということもありましたので、とりあえずうちは働くこと、お手伝いをすることで小遣いを決めています。
それから、毎月1日をお金の話をする日に決めました。毎月1日の午後8時から9時、「金銭コミュニケーション会議」の日と呼んでいます。私は自営業ですから、給料を持って帰ってくるということがないので、余計にそういう日をつくらないといけないという気持ちになったわけです。
お小遣い明細を作る
基本的に小遣帳をつけさせるというところからスタートしました。何のために使ったか、その理由をまとめさせるわけです。毎月これを書かせます。入るのは基本的には小遣いだけです。ですから、使ったお金を見ます。それを話し合うのです。
ここで子供たちに対しては、いい使い方をしたところだけ褒めます。悪いところを攻めると書くのが嫌になるのです。悪い使い方は本人が一番わかっています。それより、いい使い方を褒めてあげるのです。
うちで一番大事にしていることは、どれだけ上手にお金を使うかです。お金というのは、もともと上手に使うために貯めるわけです。上手に使うということがキーポイントということで、それを褒めるのです。
毎月1日に小遣帳を持ってくる。財布も持ってくる。残ったお金の欄に書いてる金額と中身があっていなかったらダメです。金銭管理ができていないのです。「1円足らん。どないしたんや」と徹底します。ですから、小学校2~3年くらいからレシートもとっています。
その後小遣いを渡します。小遣いも普通の渡し方はしていません。「お小遣明細書」にしています。一番上に「基本手当」と書いてあります。1学年100円からスタートしました。
その後は「お手伝い手当」。これが一番大事なところです。お手伝いを決めて、きちんとできれば100円、50円とつきます。1日抜けたり、さぼったり、手を抜いたりすると、マイナスです。
次は「勉強手当」。普段どれだけ頑張っているかを評価基準にしています。
4番目が「生活態度手当」。これは大事なことです。生活態度ができていないとマイナスをつけます。最後が「特別手当」。
それでまとめまして、1カ月に1回渡します。ですからうちの子どもの小遣いは毎月違うのです。
子どもさん、大変だなと思うかもしれませんが、明細書をつくる親の方が大変です。しっかり親が見てあげないといけないので、極端に言えば親のためです。これがうちの小遣いのやり方ですが、すべてがいいところばかりではないですから、何か参考になるところがありましたら、ぜひ試していただきたいと思います。