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第45回 全国婦人のつどい

「暮らしと金融・経済に関する消費者セミナー」

第二分科会講義(要旨)「お金に関する子どもの疑問にどう答える」

お金とはなんだろう

これからの子どもたちの新しい育て方を一緒に考えていきたいと思います。

5~6年前から中学校の授業に参加していますが、お金の話をしに行った時に、「金儲けはどないしたらええねん?」、一番初めにそういう質問を受けました。答えとして「頑張って、こつこつ仕事して」と、そういうふうな話をすると、「いや、もっと楽に」と言うのです。それぐらい短絡的な考え方をしているのです。

でもそうした子供たちのいろいろな意見に、どううまく答えてあげるかによって、子どもたちの成長過程に大きな影響を与えるのではないかと感じております。

金利を実感させる

アメリカの金銭教育にならって考えていきたいと思います。

金利を考えようという勉強で、積立てのお話です。20歳から60歳までの間、毎月1万円積立てします。

まず、60歳の時は幾らになりますかという話です。金利がない場合、480万円になります。

次に、金利をつけます。計算しやすいこともあって金利を10%と仮定します。なおかつ複利で運用します。金利にまた金利がつくという形で預けたとします。60歳の時は幾らになっているか。480万円より減っていると思う人はいませんね。金利がつくということは増えるという意識を持ってもらうのが非常に大事です。

答えは5,300万円になるのです。日本は多分、こういう問題を子どもたちに解かせた時に、「5,300万円」と書く子がいたら、「はい、マル。よく計算できた」というスタンスで評価をします。

アメリカは、小学校で「答え何ですか」と聞いた時に、「金利ってすばらしい」とか「金利ってものすごい儲かるものですね」とか、そういう答えに対してマルを与えるのです。極端に言うと感覚で身につけるのです。お金が増えるというのは、コツコツ長い時間を必要とするとか、金利というのを意識しなければいけないというのを感じさせるのです。

今、物すごく景気が悪いですけれども、それでも景気がいい会社があります。消費者金融と呼ばれる、消費者に対してお金を貸すところです。消費者金融の貸出金利は、大体20%から29%の間です。

先程の10%をもし27%に変えたらどうでしょう。60億円です。金利というのはすごいでしょう。今度はここでローンの話をします。そうしたら、これは怖いというのがわかるでしょう。お金の借り方はどういうことに気をつけなければいけないかが、これでわかります。

できるだけ早く返さなければいけない、できるだけ低い金利で借りるべきだということを実感させるのが、子どもたち自身にとっても一番わかりやすいということです。

良い部分、それと怖さの部分をお金は持っていますよと気づかせることを、何歳の時にできるかということも非常に大事かなと思います。

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