第46回 全国婦人のつどい
「暮らしと金融・経済に関する消費者セミナー」
第二分科会講義(要旨)「悪質な金融商品の勧誘に備える」
デフレ時代に大切なこと
悪質な金融商品の被害にあわないためには、金融商品の基本的なことを勉強することにつきると思います。特に、今のデフレ時代は慌てて金融商品に手をだす必要はありません。自分の今ある資産を守る一方、ローンへの対応をしっかり行うことがデフレ時代には大事だと思います。
気をつけたい金融商品
どういう金融商品が問題になっているか、お話しします。
まず毎月分配型投資信託です。非常に高額の配当が出て、毎月それが利子として入ってきますといって、高齢者を誘います。高齢者の方は預貯金と同じと誤解して買ってしまいますが、預貯金とは違い、元本が割れる可能性があります。毎月分配型は元本が保証されていないこと、そして、自分が払った元本を切り崩して配当としてもらっているときもあることをしっかり押さえておいてください。
次に外国為替証拠金取引。これは、証拠金の10倍から20倍の外貨が売買できるという商品です。1ドル100円のときに10万ドルを買うには1000万円必要ですが、証拠金取引なら、証拠金が10%の場合だと100万円で1000万円のものが買えます。
しかし、この差額900万円は事業者から自動的に融資を受けているのですが、消費者は自分が融資を受けているとは知りません。1ドルが110円になれば100万円の利益が出ますが、一ドルが90円になると、あっという間に100万円の損失が出て、損失分が証拠金の中から引かれるという商品です。
このリスクの高い金融商品を監督する官庁はなく、固有の法律も全くありません。いろいろな問題商法もからんで、深刻な事態になっています。プロが買うのは構わないけれど、一般消費者には売らせないでほしいと私たちは政府に求めています。
次に国債です。国債だったら絶対安全として売られていますが、アルゼンチン債が債務不履行になっています。海外の債券を買われる方は、破綻したらIMF等の支援はさほど得られず、損失を被ってもそれは自己責任になること、したがって財政状況等を把握しながら、しっかりした国の国債を買わなければいけないことをつかんでおいてください。
変額年金が非常に売れていますが、仕組みは投資信託と同じです。変額年金ファンドの中から好きな投資信託を選んで運用してもらい、その結果の運用原資を年金として受け取るというものですが、手数料等の費用がかなり必要です。また、変額年金なので一定の保証はありますが、元本が保証されているわけではありません。