家計の金融行動に関する世論調査
家計の金融資産に関する世論調査[二人以上世帯](平成15年まで)
貯蓄と消費に関する世論調査 平成11年調査結果
[BOX]調査時点の株価・為替相場の状況、残高のある世帯と全世帯
調査時点の株価・為替相場状況
本調査では、株式・債券・投資信託などの有価証券、外貨建て金融商品について、その保有額を回答時点の時価で記入することになっている。したがって、貯蓄保有額の増減状況をみる場合には、貯蓄の積立て・取り崩し以外に、相場変動によって株式や債券のような価格変動商品の時価がどのくらい変動したかにも注意を払っておく必要がある。
本調査の調査期間(例年約10日間)の相場状況は、以下の通りである。
平成 9年 | 平成10年 | 平成11年 | ||
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調査期間 | 6/20~6/30日 | 6/26~7/ 6日 | 6/25~7/ 5日 | |
株式相場 (日経平均株価) |
20,604 ~20,679円 |
15,210 ~16,511円 |
17,436 ~18,135円 |
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6月末 | 20,604円 | 15,830円 | 17,529円 | |
前年比 | △ 8.5% | △23.2% | +10.7% | |
外国為替相場 (インターバンク米ドル直物 ・東京市場17時時点) |
113.60 ~115.34円/ドル |
138.25 ~142.13円/ドル |
120.76 ~122.59円/ドル |
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6月末 | 114.30円/ドル | 139.95円/ドル | 120.87円/ドル | |
前年比(円安+) | + 4.0% | +22.4% | △13.6% |
残高のある世帯と全世帯
残高の平均値は、「各世帯の残高の合計÷世帯数」で計算される。このとき、算入する"世帯"として、どんな世帯を選ぶか、その範囲によって、平均値の持っている意味合いは変わってくる。家計部門全体の状況をみる場合には、残高のある世帯だけでなく、残高のない世帯を含めた全世帯ベースに換算した残高に注目する必要がある。
例えば、今回調査の「借入金のある世帯」の借入金は前年よりも増加(10年1,123万円→11年1,173万円)しているが、「借入のある世帯」の割合は前年よりも減少(10年45.1%→11年42.6%)している。これだけでは家計部門全体として借入が増えているのか減っているのかは判断できない。そこで、「借入のない世帯」の残高を0万円として平均値を計算すると、家計部門全体での借入金の動向を把握できる。今回の結果をみれば、家計部門全体での借入金は前年より減少(10年507万円→11年500万円)していることが分かる。
平成 8年 | 平成 9年 | 平成10年 | 平成11年 | |
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借入のある世帯割合(A) | 48.3% | 46.3% | 45.1% | 42.6% |
借入のある世帯の借入残高(B) | 1,050万円 | 1,075万円 | 1,123万円 | 1,173万円 |
全世帯の借入残高(A×B) | 508万円 | 498万円 | 507万円 | 500万円 |
また、全世帯ベースは、家計部門全体の貯蓄・借入のバランスを知るうえでも有用である。「貯蓄のある世帯」の貯蓄保有額と「借入のある世帯」の借入残高を比べようとしても、世帯の範囲が異なるので単純な比較はできない。そこで、ともに全世帯をベースにすると、貯蓄残高は1,201万円、借入残高500万円と資産・負債のバランスが分かる。