相続税と贈与税
6.小規模宅地の特例
小規模宅地の特例とは
相続や遺贈によって土地を取得した場合に、その土地の中に被相続人が自宅として住んでいたり、事業の用に供していた小規模な宅地があったときは、宅地の評価額の一定割合を減額することができます。これを「小規模宅地の特例」といいます。
特例の対象となる宅地
この特例の対象となる宅地とは、次のすべての要件に該当する宅地をいいます。
- 相続開始の直前において、被相続人又は被相続人と生計を一にしていた親族の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等であること
- 建物や構築物の敷地の用に供されていたこと
- 販売用の棚卸資産などでないこと
- 一定の限度面積までの部分であること
- 相続税申告書の提出期限までに遺産分割されていること
遺産が申告期限までに分割されていない場合には、他の要件を満たしていても、適用を受けることができません。
申告期限までに遺産分割が間に合わなかった場合には、いったん、小規模宅地の評価減を適用しないで納税と申告を済ませておきます。その後、申告期限から3年以内に遺産分割協議が整ったときは、その日の翌日から4か月以内に限り、更正の請求という手続によって、税金を返してもらうことができます。
減額割合
宅地の種類(注1) | 平成27年1月1日以後の相続 又は遺贈 |
減額割合 |
---|---|---|
特定事業用宅地等 | 400m²まで | 80% |
特定居住用宅地等 | 330m²まで | 80% |
貸付事業用宅地等(注2) | 200m²まで | 50% |
- (注1)
- これらの宅地の種類が複数にわたる場合には、適用対象面積の調整が行われます。
- (注2)
- 不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業などは、「貸付事業用宅地等」に含まれます。
特例を受けるための手続
この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書(申告書第11表の付表1)に、この特例を受ける旨を記載し、計算に関する明細書、その他一定の書類を添付する必要があります。