先生のための金融教育セミナー
2022年度 先生のための金融教育セミナー
オンデマンド配信の内容
金融教育の専門家による授業のヒント
「SNSを活用した金融教育」
慶應義塾大学経済学部 藤田 康範 教授
慶應義塾大学の「金融リテラシー」の講義で実践した「SNSを活用した金融教育」についてお話します。
オンライン授業では、コメントスクリーンという機能を活用すると、履修者がマイクをオンにしなくても双方向のコミュニケーションが可能になります。また、VRoidで制作したアバター(3Dキャラクター)を活用すると、学生たちも楽しそうに講義に参加していました。
次に「講義時間外も含めて総合的にプロデュースすれば、もっと学生のライフスタイルにあって、豊かな人生を送るための手がかりになる講義にできるのでは」と考えました。「隙間時間に見られる」「金融リテラシーを常に身近に感じ、自発的に知識を更新したくなる」「教員側の負担にならない」これらの3つの条件を満たすものがインスタグラムです。知識を構造化して「1を知れば10を悟る」という内容を厳選し、それぞれ15秒あれば読めるようにまとめてあり、興味を持ってタップすると解説が現れるようにしていました。聞き流したい人のためにはVRoidアバターによる音読を用意しています。
オンデマンド教材として、「VRoidアバターによるもの」「大学生等、同世代の人によるもの」のどちらが効果的なのかについて現在検討中です。また、私のアバターやバーチャル空間も制作してあるので、これらを活用することも計画しています。これまでの一般的な講義では、スマートフォンの使用が禁止されていますが、オンデマンド教材の場合は、むしろ逆転の発想で、学生が視聴しながら「スマートフォン+SNS」によって感想等をシェアし、学生同士がお互いに高め合うことを期待しています。AISASモデルでまとめると、教室の授業で学生にAttentionとInterestを与え、インスタグラムやオンデマンド教材を制作して、Search→Action→ShareをできるSNSの環境を整えれば、もっと学生のライフスタイルにあって、豊かな人生を送るための助けになるのではないでしょうか。