先生のための金融教育セミナー
2022年度 先生のための金融教育セミナー
オンデマンド配信の内容
金融教育の専門家による授業のヒント
「お金の基本知識を等身大の目線でわかりやすく伝えるノウハウ」
日本金融教育推進協会
代表理事 横川 楓 氏
日本金融教育推進協会は、適切な金融教育と金融リテラシーの普及を目指し、様々な活動を行っています。私たちの強みは、20~30代のメインメンバーに加え、10代の学生メンバーがいるなど、学ぶ皆さんにとって等身大の目線で金融教育活動を届けられることです。
金融教育活動を行う中で、若い世代の声を聞くと、これまでの学校での金融教育は情報が単発的で自分に必要な知識だと思えず、金融教育だと認識していないことがわかります。そのため、体系的な話の導線作り、知識のステップアップ、言葉の目線を合わせることを意識した教育が重要です。
小中学生には、お金はどうやって手に入れるのかということを伝え、お金は大切であり、きちんと考えていく必要があるという認識をまず持たせ、生活目線での事例を取り入れたクイズなど、楽しみながら、まずは自分にとって身近な話だと思ってもらうのがよいと思います。
高校生はアルバイトを始めたり、自分自身がお金と向き合う機会が多くなってきます。成人年齢引き下げでの変化もとても大事なポイントで、18歳から親の同意無しにクレジッカードを作れるようになるということを伝えた上で、キャッシュレスの仕組みを説明してから注意点の説明に入るのがよいと思います。給与明細の話題や医療費負担などと関連させて社会保障制度を説明したり、突然用語説明から入るのではなく、導入の話題からステップアップし、対象年齢に合った言葉や事例を使うことを意識すれば、お金の知識をわかりやすく伝えることが可能です。人生の選択肢を広げていくためにも資産形成が大切であると伝え、その手段の一つである投資は資本が減るリスクがあること、従って減ってもいいお金で始めていく必要があること、一方で、投資自体は100円から始められるものもあり、意外とハードルが低いことなどは必ず伝えていきます。
お金の知識に自信がないという先生方には、わからない人の視点に立った説明ができるというメリットがあります。子ども達にも私たち大人にも共通したことですが、お金の基本知識を身につけることは選択肢を増やす武器でもあり、リスクから身を守る防具にもなるのです。あまり難しく考えず、同じ目線で伝えてあげることを大切に、お金の授業の組み立てをしてみてください。