金融商品なんでも百科
(平成27・28年用)
金融商品の選び方・組合せ方
期待リターンとリスク許容度
純粋に利殖を目的とする場合は別として、個人が期待するリターンは、その人のライフプランから導き出すことができます。たとえば、40歳の人に老後資金用の資金として500万円あり、老後資金用の可能積立額が月2万円とします。この人の60歳までの積立資金の原資は2万円×12か月×20年で、480万円です。これらによって60歳時に2,000万円の老後資金を作りたいとすると、期待リターンの組合せの例としては、500万は税引き後年利5%、積立ては税引き後年利3.06%で複利運用されていけば、60歳時に合計で2,000万円を達成することが可能になります。ただし、500万円の期待リターン5%で運用するためには、それに応じたリスクをとらなければなりません。また、収入や保有資産の規模、住宅ローンなどの負債がどの程度あるか、投資の経験がどのくらいあるか、などによって、その人がとれるリスクの程度、つまりリスク許容度も異なってきます。もし5%に見合うリスクがとれないなら、消費支出を1万円節約して毎月の積立額を3万円に増やすと、500万円は3%、積立ては3.17%で運用すれば目標額はほぼ達成できます(なおこの計算は専用のソフトなどによって行います)。
手元資金 |
期待 リターン |
20年後 の合計 |
毎月 積立額 |
期待 リターン |
20年後 の合計 |
20年後の 総合計 |
|
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1 | 500万円 | 5% | 1,327万円 | 2万円 | 3.06% | 663万円 | 1,990万円 |
2 | 500万円 | 3% | 903万円 | 3万円 | 3.17% | 1,007万円 | 1,910万円 |
まず自分のリスク許容度をよく考え、それに見合った期待リターンを勘案しながら資金計画を作っていくことが大切です。