金融商品なんでも百科
(平成27・28年用)
金融商品の選び方・組合せ方
安全性―預けたお金が目減りしたり、予想外の損をする可能性はないか?
安全性とは、金融商品に充てたお金が目減りしたり、期待していた利益が得られなくなったりする可能性がないか、という点に着目した基準です。
安全性を知るためのポイントは、以下のような点です。
金融商品から生じる利益が変動するか
金融商品から生じる利益、すなわち、利息や配当など、お金を預けたり(貸したり)、出資したりすることに対して支払われる対価が、その時々の金融経済情勢などによって変わる(変動型)か、変わらない(固定型)か、ということです。
金融商品自体の価格や価値が変動するか
金融商品の中には、市場などで価格(相場)が決まるものがあります。また、こうした金融商品へ間接的に投資しているため、その価格が変動する金融商品もあります。これらの金融商品は、値下がりの度合いによって、期待していた利益が得られなくなるだけでなく、当初の購入代金を下回る可能性もあります。このほか、外貨建ての金融商品(円で受取る場合)については、外貨に対する円の価値(外国為替相場)の変動に伴って、その金融商品の円の価値(元本)も変動することになります。
このように価格変動を伴う金融商品がある一方で、取扱っている発行体が満期時点での元本の払戻しを約束(元本保証)しているため、金融商品へ充てたお金が目減りしないような金融商品もあります。
債券・株式等の発行体の経営は健全か
一般企業などが発行する債券や株式、その他の債務証書については、取扱っている金融機関の経営がいくらしっかりしていても、発行体である企業自身が破綻した場合、その金融商品としての価値の一部ないし全部が失われてしまう可能性があります。このため、発行体企業の経営状況の良し悪しも、これらの金融商品の安全性に大きな影響を与える要因の1つです。また、この点は、債券や株式等を運用対象に組込んでいる金融商品(たとえば「投資信託」など)についても同様です。
取扱い金融機関の経営は健全か
破綻に備えた保護の仕組みが設けられているか
いくら金融商品自体が安全に運用される仕組みとなっていても、それを取扱っている金融機関が破綻すれば、その金融商品の価値が失われてしまう可能性があります。金融機関の経営状況の良し悪しも、金融商品の安全性を左右する要因の1つなのです。
また、取扱い金融機関の破綻などにより払戻しができなくなった場合に備えて、預金保険制度などの保護の仕組みが設けられていますが、保護の対象となる金融商品や、保護の内容等については、仕組みや制度ごとに異なるので、注意が必要です。