贈与を身近に
─世代を超えて財産を有効活用する─
(Q6 贈与による財産の活かし方)
Q6. 生前贈与を検討するときの大切なポイントはなんでしょうか
A6. 節税目的よりも、若い世代に財産を活用してもらう観点を持ちましょう
長寿化に伴い、高齢者から高齢者に相続が行われる「老老相続」が増加しています。
財務省主税局の調査によれば、被相続人の死亡時の年齢は、80歳以上が1989年では38.9%でしたが、2019年には71.6%と倍近くに増えています。
財産を引き継ぐ子は、すでに50代・60代になっており、子育てが一段落していたり、自宅をすでに購入していたりする人も多いでしょう。
財産を相続しても使う機会がなければ、貯金が増えるだけということになりかねません。
ですが、結婚・出産などのライフイベントが目白押しの若年層に財産を引き継げば、そのお金は有効活用されて、経済の活性化にもつながります。
贈与によって、早い時期から子や孫に財産を渡し、そのお金を活かしてもらう発想が大切になってくるのではないでしょうか。
Q1で解説したとおり、相続税が発生する人は全体の9%程度しかいません。
Q1. 相続トラブルは、財産の多い家庭だけに起きるのでしょうか
大多数の人は節税目的の贈与を考えるよりも、遺産分割のトラブルを避け、若い世代を応援し、お金を活かすという観点から、贈与を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事は2023年3月時点の情報に基づいています。実際に贈与を行う際は税理士など専門家の助言を受けることをおすすめします。