家計の金融行動に関する世論調査
家計の金融資産に関する世論調査[二人以上世帯](平成15年まで)
貯蓄と消費に関する世論調査 平成10年調査結果
II 金融の現状に対する認識と行動
(新しい金融の流れ)
ビッグバン
ビッグバンの認知度は前年比大幅に上昇し、過半数に達した。
「ビッグバンを知っている」と回答した世帯に、ビッグバンで実現すると思われることについて聞くと、「金融機関によって金利に差が生じる」との回答が最も多い。もっとも、前年との対比でみると、「金利差が生じる」、「手数料を大幅に引き下げる先が増える」といったプライシングに関わる回答が減少する一方、「取引先が制限されていた商品を多くの金融機関が扱う」、「金融商品の種類が増える」といった金融商品や取扱金融機関の多様化に関わる回答が増加している。
また、ビッグバンの進展によって自らの生活にどのような影響があるかについては、「金融機関の経営内容に格差が生じたり、商品が複雑になるなど、生活に負担がかかる」との回答が、「経済が活性化し、生活に好影響を与える」との回答を上回っている。
(注)ビッグバンとは、様々な規制と保護を受けていたわが国の金融システムを自由で効率の良いものに変えていこうという構想。この改革の狙いが、わが国の金融経済の抜本的な変革にあるので、宇宙誕生時の大爆発になぞらえてビッグバンと呼ばれている。橋本前首相は、平成13年(2001年)をめどに、フリー・フェア・グローバルの3つの原則に基づいて、改革を進めることを表明した。
(図表)ビッグバンの認知度
(図表)ビッグバンで実現すると思われること
(ビッグバンを知っている世帯、3つまでの複数回答)
(図表)ビッグバンの進展によって予想されること
(ビッグバンを知っている世帯)
(年収別)
外貨建て金融商品の保有
外貨建て金融商品の保有経験がある世帯は全体の3.3%に過ぎず、また、現在も引き続き保有しているのは1.5%に止まっている。
一方、今後の保有意思についてみると、「保有してみたい」との回答は10.1%と、前年に比べ若干ながら増加しており、外貨建て金融商品に対する興味の広がりは窺われる。ただ、商品の難解さ、為替変動リスクの忌避といった理由から「保有したくない」とする世帯は35.4%と、前年に比べれば減少したものの引き続き多い。
(図表)外貨建て金融商品の保有状況
(図表)外貨建て金融商品の保有意思
(図表)外貨建て金融商品を保有したくない理由
(外貨建て金融商品を保有したくない世帯、複数回答)
外為取引の自由化
本年4月の外為取引自由化に伴い外為取引に対する興味はやや高まった(「興味はない」とする世帯は前年対比△5.0%ポイント減少)。興味のあることがらの中では、「海外金融機関での口座開設」、「海外金融商品への運用」の増加が目立っている。
(図表)外為取引自由化で興味を持つことがら(複数回答)
今後、取り引きを始めたり、増やしてみたい金融機関
今後取り引きを始めたり、増やしてみたい金融機関としては、「郵便局」が最も多く、「銀行」、「協同組織金融機関」が続いている。前年と比べると、ほとんどの金融機関がポイントを減らす中、「海外の金融機関」がポイントを高めている。
また、ビッグバンの認知度との関係をみると、ビッグバンを知っている世帯では、ビッグバンを知らない世帯に比べ、「海外の金融機関」や「証券会社」を重視する世帯がより多くなっている。
(図表)今後、取り引きを始めたり、増やしてみたい金融機関
(2つまでの複数回答)
(ビッグバンの認知度と取り引きをしたい金融機関の関係)