家計の金融行動に関する世論調査
家計の金融資産に関する世論調査[二人以上世帯](平成15年まで)
貯蓄と消費に関する世論調査 平成10年調査結果
II 金融の現状に対する認識と行動
(安全性と収益性)
貯蓄商品の選択基準
貯蓄商品を選択する際に最も重点をおくことについて、「安全性」、「流動性」、「収益性」の3基準に分けてみると(注)、「流動性」、「収益性」がともに小幅減少となった一方、「安全性」は平成7年以降4年連続で増加している。この間、「安全性」に関わる項目について個別にみると、「取扱金融機関が信用できるから」との回答はほぼ横這いである一方、「(その商品の)元本が保証されているから」が著増する格好となっている。
(注)ここでは、「安全性」、「流動性」、「収益性」に関わる項目をそれぞれ下記のように分類。
安全性:
「元本が保証されているから」、「取扱金融機関が信用できて安心だから」
流動性:
「少額でも預け入れや引き出しが自由にできるから」、「現金に換えやすいから」
収益性:
「利回りがよいから」、「将来の値上がりが期待できるから」
(図表)貯蓄商品を選択する際に重視すること
(3基準としてみた場合の推移)
貯蓄を安全にするためにとった行動と今後の対応
貯蓄をより安全にするために「何らかの行動をとった」世帯は約3割。また、「今後何らかの行動をとるつもり」とする世帯は約6割に達した。具体的な行動内容をみると、これまでの経験については「信用度の高い金融機関への預け替え」が最も多いが、今後の対応については「信用度の高い金融機関に預け替え」と「安全性に関する情報収集」が多く、両方とも3割近くに達している。
(図表)安全に関する行動の経験と今後の対応
(図表)具体的な行動内容(複数回答)
預金保険の認知度
預金保険制度(注)を知っているかどうかを尋ねると、前年と比べ「内容まで知っている」が+4.4%ポイント、「見聞きしたことはある」が+7.1%ポイント増加して、預金保険制度の存在を知っている世帯が全体の3分の2を占めるようになった。
また、預金保険制度の認知度と安全に関する行動の関係をみると、預金保険の認知度が高い世帯ほど、安全に対して行動した経験を持つ世帯も多いことが分かる。
(注)預金保険制度とは、金融機関が破綻した場合に預金者を保護する仕組み。平成13年3月末までは、特例措置を講じて預金取扱金融機関の預金等を全額保護できるようにしているが、平成13年4月以降は、1金融機関ごとに元本1,000万円までを最低限保証するように保護の内容が変わる。
(図表)預金保険の認知度
(預金保険の認知度と安全に関する行動)
各種金融商品の選択における自己責任の受け止め方
「株式」や「外貨預金」など、相場の状況によって価格変動する金融商品については、「自分で責任を持つのは当然」と考える世帯が約4~5割に達しているが、同時に「どちらとも言えない」と回答する世帯も多い。「預金」や「保険」など、取扱金融機関によって元本保証されている商品は、「自分で責任を持てと言われても困る」と考える世帯が多い。
前年と比べると、「外貨預金」や「新しいタイプの金融商品」などで特に自己責任意識が高まっている。
(図表)自己責任の受け止め方
低金利下の行動
低金利の下で、何らかの行動をした世帯の割合は、35.4%となっている。具体的な行動内容としては、「より高利の金融商品への預け替え」が最も多い。
(図表)低金利下での行動
(具体的な行動内容)
金融機関に対するサービス改善要望
金融機関のサービスに対しては、「預金・貸出金利のレートサービス」や「金融機関の経営内容の開示」の要望が年々高まってきている。また、前年との対比では、「総合的な資金管理のアドバイス」を望む声も高まっている。
(図表)金融機関に対するサービス改善要望(複数回答)
(今回上位4項目の時系列推移)