おかねのね
ケガや病気にはどう備える?
人が暮らしていく上ではいろいろなトラブルが発生します。そのトラブルが発生する可能性のことをリスクといいます。しかし、「リスク=危険」ととらえるのではなく,トラブルが発生する可能性の「高さ」ととらえます。可能性が高ければ「リスクが高い」、低ければ「リスクが低い」といった言い方をします。リスクが高ければ低くするための方法を考えます。また発生したらどのように対応するのかを前もって考えて備えることも大切です。
あらゆるリスクについて考えてみることは大切ですが、私たちは公的な社会保険(公的保険)で守られてもいます。公的な社会保険による保障だけでは金銭的に不足すると思われる場合に、私的保険を検討するようにしましょう。例えば、病気に備える際に通常の健康保険でカバーされない部分を私的保険である医療保険に全て頼ることにした場合、保険対象者の年齢にもよりますが、毎月支払う保険料はかなり高額になります。健康保険のほかに高額療養費制度でカバーできる金額を知っていれば、その分の私的保険が不要となりますので、加入する保険金額の範囲を狭め、支払保険料を抑えることができます。
また、貯蓄で備えることも重要です。例えば、損害額の小さい自動車事故では、加入している自動車保険の保険金を請求するのではなく、貯蓄でまかなうことも考えられます。事故を起こしたために翌年の保険料が値上がるとしたら、考えものです。大きなけがや高額の部品交換ではない場合には、保険金が支払われないこともあるでしょう。保険があれば、貯蓄が不要となるわけでもありません。すべてを保険でカバーするのではなく、貯蓄を充実させておくことで、保険と合わせて効率的に備えることができます。
リスクをマネジメントする
リスクマネジメントには、大きく二つに分けて「リスクコントロール」と「リスクファイナンス」があり、リスクに備えて検討します。
①リスクコントロールとは、リスクを低くすることです。リスクへの対応には4つあります。
- 1.リスクの回避
- 例:飛行機に乗らないようにする
- 2.リスクの保有
- 例:ツーリングには危険が伴うが、趣味なので行く
- 3.リスクの転嫁
- 例:損害に備えて保険に加入する
- 4.リスクの縮小
- 例:家屋を耐火造りに変えた、健康増進に励む
②リスクファイナンスとは、リスクに対して「お金」で備えることを指し、保有と転嫁の2種類があります。
- 1. 保有
- リスクの損失に関して、自らの「貯蓄」などで備える。
- 2. 転嫁
- リスクの損失を「保険」などで転嫁して備える。
保険はリスクファイナンスの技術としてもっとも利用しやすく、一般的となっています