おかねのね
お金をためて必要なものを買う
子どもが自分の考えだけで必要なものと欲しいものを区別することは難しいでしょう。保護者の方も、なぜそれが必要なものなのかいっしょになって話し合い、子どもの考えを上手に引きだしていくことが大切です。子どもは、うまく説明できないこともありますので、時間をかけて考えを聞きましょう。
お金では買えない大切なものもたくさんあります。
例えば、祖父母へのお祝いは品物を買うこととは限りません。孫からのプレゼントでふたりが喜んでくれることが何より大切です。相手の立場にたって考える想像力を養うために一緒に考え、体験させることを大切にしていきましょう。
おこづかい帳をつけて、何に使ったかわかるようにすることでお金の使い方を見直すことができるようになります。本当に必要なものを買っていたのか、無駄な買い物だったかを振り返ることができます。 これから何が必要になるかを考え、先行き必要となるお金をとっておくこと、予備費を準備しておくことの大切さを伝えましょう。
収入の四分の一を貯蓄した本多静六
本多静六(ほんだせいろく)は1866年埼玉県に生まれ、林学を学ぶ目的でドイツに留学し、帰国後は日本各地で植林をしたり公園を設計したりした人です。日比谷公園や明治神宮の森をはじめ、多くの国立公園をつくり、日本の「公園の父」といわれています。
幼少時に父親を亡くし貧しい中で家計を助けるために働いた経験とドイツ留学先の恩師の教えから、勤倹貯蓄(よく働いて倹約し、お金を貯めること)の大切さを学び実行しています。得られた収入の四分の一を天引きして貯蓄にあて、残りの四分の三で倹約して日々の生活を成り立たせ、まとまったお金ができると山林や株に投資しました。このうち、埼玉県秩父エリアの山林は、奨学金制度を条件に埼玉県に提供したほか、定年後はその資産のほとんどを寄附しています。また、一日一頁、原稿を執筆することを自らに習慣付けたため、膨大な著作が残されています。
資産形成を考える上では、天引きして預金する、使ったつもりで貯金するといった方法は昔から行われており、現在でも有効な方法です。収入から貯蓄を除いた残り(収入-貯蓄=支出)で家計を管理することにより、知らず知らずのうちに蓄えができるという考え方です。
また、急にお金が必要になる場合に普段から備えておくと、家計にゆとりが生まれ、やりくりがしやすくなります。具体的には、1ヶ月の予算を5週間分に分けて支出することや、予算に予備費を計上しておくといった方法です。