先生のための金融教育セミナー
2022年度 先生のための金融教育セミナー
ハイブリッドセミナーの内容
実践報告とワークショップ
高校公民科
東京都立蒲田高等学校 淺川 貴広 主幹教諭
千葉県立小金高等学校 關 太郎 教諭
關先生から、金融教育の実践について次のような説明がありました。
本校では、3年生の「政治経済」で金融教育を実施し、経済の仕組みだけでなく、自分のライフプランをイメージさせた上で、資産形成の重要性、社会保障と課題、消費者トラブルと対処法を取り扱いました。金融教育では、学習内容を自分事として捉え、自己の生活に生かす視点が重要と考えています。生徒に「80歳になる代わりに、生涯困らない額のお金が貰えるとしたら、実行しますか」と問いかけて機会費用について考えさせたり、自分が将来支払う所得税を計算させてディスカッションしたりしながら授業を進めました。その結果、生徒に積極的に授業に参加する姿勢が見られ、経済を身近に感じることができたと思います。
続いて、關先生のお話と次年度の指導計画案に基づき、討議を行いました。淺川先生から、1.ライフプランに合わせたあり方を主体的に考えさせるために必要なこと、2.各学校における金融教育と成果・課題、3.教科間連携で金融教育を進めるための課題、の三つの論点が示されました。一つ目の論点では、奨学金の事例を取り上げたり、家計簿アプリを使って主体的に考えさせるという案が出た一方で、生徒の家庭環境は様々なので具体的な事例を扱う際は配慮が必要といった意見も出ました。また、属人的になりやすい教科間連携は、教員間のコミュニケーションを深めるところから始め、コラボ授業や学校全体でのシステム化を目指す、といった有意義な意見交換を行いました。