家計の金融資産に関する世論調査　平成14年調査結果

1. 金融商品の選択基準

• 金融商品選択の際に最も重視していることは、「元本保証の有無」が引続き最も多く、設問開始(昭和52年)以来最高水準となった。また、「取扱金融機関の信頼性」を重視するとの回答が前年比増加したほか、「預入・払戻しの自由度」や「換金性」も増加した。一方、「利回りの良さ」を重視するとの回答は減少した。
  
  
• これを「安全性」、「流動性」、「収益性」の３基準（注）に分けると、引続き「安全性」を重視するとの回答が過半を占め、前年比でも増加した。また、「流動性」を重視するとの回答が増加した一方、「収益性」を重視するとの回答は減少した。
  
  （注）ここでは、「安全性」、「流動性」、「収益性」に関わる項目をそれぞれ下記のように分類。
  安全性：「元本が保証されているから」、「取扱金融機関が信用できて安心だから」
  収益性：「利回りがよいから」、「将来の値上がりが期待できるから」
  流動性：「少額でも預け入れや引き出しが自由にできるから」、「現金に換えやすいから」
  
  

2.金融商品の選択に関する行動

(1) 貯蓄を安全にするためにとった行動と今後の意向

• 貯蓄の安全性を高めるために、３割強の世帯が「何らかの行動をした」と回答。
  
  
• 預貯金（郵便貯金を除く）残高が１千万円超の世帯に限ってみると、「何らかの行動をした」と回答した世帯は３分の２に達している。その具体的行動をみると、「１金融機関への預金金額が１千万円を超えないように、預け入れ先を複数に分散した」が６割強となったほか、「１千万円を超える部分を決済性預金に預け替えた」が２割強、「１千万円を超える部分で、他の資産（国債や金など）を購入した」が約１割であった。
  
  
• 今後については「何らかの行動をしたいと思う」世帯は全体では６割弱と、前年比やや減少したが、預貯金（同）残高１千万円超の世帯では約８割が「何らかの行動をしたいと思う」と回答した。

(2) 各種金融商品の選択に関する自己責任の受け止め方

• 金融商品の選択における自己責任の受け止め方は、「預金（外貨預金は除く）」や「保険」では、４割強の世帯が「自己責任と言われても困る」と回答した。また、「株式」、「外貨預金」、「デリバティブ」といった商品でも、１割前後が「自己責任と言われても困る」と回答した。
  
  
• 「預金（外貨預金は除く）」について、預貯金（郵便貯金を除く）残高1千万円超の世帯に限ってみても、４割近くが「自己責任と言われても困る」と回答した。