家計の金融資産に関する世論調査[二人以上世帯](平成15年まで)
平成9年調査結果(貯蓄と消費に関する世論調査)
IV 消費と借入
1. 消費
(1) 過去1年間の収支動向
年間手取り収入を回答した世帯における収入・支出は、過去1年間(調査時点は6月末につき、昨年7月から回答時点までの1年間が対象)の年間手取り収入が、平均605万円と前年比+2.0%の伸び(前年593万円)となった。また、消費支出については、平均508万円と前年比+4.3%の伸び(前年 487万円)と手取り収入の伸びをやや上回った。
(2) 過去1年間の消費の増減動向
消費支出の増減について意識面でどうとらえているか尋ねたところ、過去1年間では「増やした」世帯の割合(32.2%)が「減らした」世帯の割合(17.7%)を引き続き上回った。ただ、両者を差し引いた「増やした」世帯割合の超過幅は前年に比べて幾分縮小(-2.2%)した。
平成4年 | 平成5年 | 平成6年 | 平成7年 | 平成8年 | 平成9年 | |
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増やした(A) | 45.9 | 44.3 | 40.1 | 37.8 | 32.8 | 32.2 |
変えていない | 42.8 | 41.5 | 42.7 | 47.6 | 50.8 | 49.4 |
減らした(B) | 10.8 | 13.4 | 16.6 | 14.2 | 16.1 | 17.7 |
(A)-(B) | +35.1 | +30.9 | +23.5 | +23.6 | +16.7 | +14.5 |
消費支出を前年と比べて「増やした」世帯にその理由(3項目以内での複数回答)を尋ねてみたところ、「必要と思われる物やサービスが増えたから」(38.6%)が最も多く、次いで「手取り収入が増えたから」(15.7%)、「先行き収入が増えていくとみているから」(10.6%)などが挙げられている。
また、同世帯の消費増加費目(3費目以内での複数回答)をみると、「保健・医療費」(8年18.3%→9年21.4%)、「教養娯楽・交際費」(同25.7%→26.6%)「住居費」(同26.6%→27.0%)、「食料費」(同40.8%→41.0%)について、前年を上回る世帯が消費を増加させている。
2. 借入金
(1) 借入金の有無
借入金のある世帯割合は、46.3%と前年(48.3%)をやや下回った。
(2) 平均借入残高
借入金のある世帯の平均借入残高は、比較的金額の大きい住宅ローンがやや増加したことから、1,075万円と前年(1,050万円)を上回った。
一方、借入金のない世帯などを含めたトータルの全世帯の平均借入残高は498万円と前年(507万円)よりも減少している。
平成 2年 |
平成 3年 |
平成 4年 |
平成 5年 |
平成 6年 |
平成 7年 |
平成 8年 |
平成 9年 |
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平均残高 | 813 | 763 | 845 | 946 | 935 | 1,006 | 1,050 | 1,075 |
(全世帯ベース・注) | 301 | 319 | 371 | 435 | 428 | 424 | 508 | 498 |
(注) 全世帯ベース(4,286世帯)は、借入金のある世帯(1,984世帯)に借入金のない世帯(2,297世帯)と無回答世帯(5世帯)を含めたもの。
(3) 借入金の内容
借入先別にみると、「公的金融機関」のウエイトが低下し、「民間金融機関」のウエイトが上昇している。
借入種類別には、消費者ローンなどを含む「その他ローン」が減少する一方、「住宅ローン」が増加している。
平成7年 | 平成8年 | 平成9年 | (実額) | |
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民間金融機関 | 43.1 | 46.7 | 48.8 | (525) |
公的金融機関 | 46.1 | 43.7 | 42.0 | (452) |
住宅ローン | 72.5 | 72.1 | 76.9 | (827) |
フリーローン | 7.4 | 6.2 | 6.4 | ( 69) |
その他ローン | 20.2 | 21.7 | 16.7 | (179) |