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家計の金融行動に関する世論調査

家計の金融資産に関する世論調査[二人以上世帯](平成15年まで)

平成9年調査結果(貯蓄と消費に関する世論調査)

II 金融環境の現状に対する認識と行動

1. 各種金融商品の選択における自己責任の受け止め方

金融自由化が進展する中にあって、金融資産運用に関する自己責任原則への認識を、各金融商品別に尋ねたところ、株式では「自分で責任を持つのは当然」との見方が過半の52.1%に達した。

また、外貨預金、ハイテク商品・デリバティブ商品(金融自由化の過程で開発された新しいタイプの金融商品)、公社債投信については、「わからない」が最も多くなり、これに「自分で責任を持つのは当然」が続く形となった。

さらに、預金(外貨預金を除く)、保険といった、取扱金融機関によって元本保証されている金融商品については、「自分で責任を持てと言われても困る」が半分近くを占め、「自分で責任を持つのは当然」を上回った。

各種金融商品の選択における自己責任の受け止め方(単位:世帯割合%)
  自分で責任を
持つのは当然
わからない 自分で責任を持て と言われても困る
株式 52.1 31.4 13.2
外貨預金 35.5 45.7 14.9
ハイテク商品・ デリバティブ商品 33.4 47.9 15.0
公社債投信 29.2 46.4 20.7
預金 25.6 26.2 46.5
保険 19.5 30.4 47.5

2. 預金保険制度の認知度

預金保険制度(注)を知っているかどうかを尋ねたところ、「全く知らない」が44.3%と最も多く、次いで「見聞きしたことはある」が42.9%となっている。「内容まで知っている」は、前年(11.7%)よりも僅かに増えたが、12.7%に止まっている。

(注)預金保険制度は、預金者の保護を図るため、金融機関が預金の払戻しを停止した場合に、預金者等に対して保険金(1金融機関ごとに1預金者当たり元本1,000万円まで)の支払いと預金等債権の買取りを行うほか、破綻金融機関に係る合併等に対し適切な資金援助等を行い、これにより信用秩序の維持を図ることを目的とする制度。

貯蓄保有額別にみると、貯蓄額が1,000万円未満の世帯では、「全く知らない」が半数に達しているが、1,000万円を超える保有額を有する世帯では「全く知らない」が全体の30.0%となる一方、「内容まで知っている」が20.8%となった。

3. 貯蓄をより安全にするためにとった行動

貯蓄をより安全なものにするための行動については、「何らかの行動をした」が39.9%、「とくに何もしていない」が59.7%となった。

これまでの行動については、「信用度の高い金融機関に預け替えた」が全体の11.3%となっている。さらに、これからの態度については、「今後は見直す」が全体の25.6%となっている。

4. 低金利下での家計行動

現行の金利情勢の下で、貯蓄に関してとった行動については、「何らかの行動をした」が34.5%、「とくに何もしていない」が65.4%となっている。

また、これまでに行動した内容(複数回答)としては、「より高利な貯蓄商品に預け替えた」、「短期(または長期)金融商品へ預け替えた」といった貯蓄の預け替えが各々13.0%、10.2%となっており、また「消費のために取り崩した」とする世帯は、全体の11.3%となっている。

5. 金融機関に対するサービス改善要望

金融機関のサービスに関する改善要望(複数回答)としては、「平日の窓口終了時刻の延長」や「土・日・祭日におけるATMの機能拡大」などの利便性に関する内容や「預金・貸出金利のレートサービス」が引き続き上位を占めているが、要望内容を前年と比べると、「金融機関の経営内容の開示」が+8.0%と、従来より大きく増加(世帯割合:6年8.5%→7年13.0%→8年19.9%→9年27.9%)しているほか、「気軽に相談できる窓口の設置」についても前年よりも+4.3%上昇してる。

金融機関に対する主なサービス改善要望(複数回答、単位:世帯割合%、( )内は%ポイント)
  平成8年 平成9年(前年差)
平日の窓口終了時刻の延長 45.8 48.4 (+2.6)
金利面でのレートサービス 43.6 45.3 (+1.7)
土・日・祭日のATMの機能拡大 40.5 42.5 (+2.0)
窓口での待ち時間を短く 28.9 29.4 (+0.5)
新商品等の内容説明 28.3 28.2 (-0.1)
金融機関の経営内容の開示 19.9 27.9 (+8.0)
気軽に相談できる窓口の設置 19.2 23.5 (+4.3)

6. 悪徳商法の経験

ここ数年、頻発するお金に絡んだ悪徳商法に関する経験について尋ねたところ、「これまでに購入したことがある」世帯は3.8%に止まっており、「購入したことはない」世帯が96.0%となっている。

もっとも、「購入したことがある」世帯では、「購入したことはない」世帯と比べて、「元本保証があって損はしないと説明があれば買ってもよい」と考える割合が相対的に高い(各22.8%、6.7%)ほか、「著しい高収益が得られると説明があれば買ってもよい」、「親しい友人、知人が勧めていれば買ってもよい」と考える割合も高い。

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