老後を豊かに過ごすために ─リバースモーゲージという選択肢─
(リバースモーゲージの仕組み)
自宅を担保に融資を受けるリバースモーゲージの仕組み
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、住宅総数に占める持ち家の割合は61.2%、借家の割合は35.6%となっています。
終の棲家をどちらにするかはよく議論されるところですが、定年後の老後資金を賄う手段として注目が高まっているのが、自分の持ち家を活用して資金を借り入れる「リバースモーゲージ」という仕組みです。
リバースモーゲージは、直訳すると「リバース=逆」、「モーゲージ=抵当権」を意味します。
住宅ローンは、家を購入するために一括で融資を受けた後、借入残高がなくなるまで月次などで返済していくのが一般的です。
これに対して、リバースモーゲージは、自宅を担保に一括などで融資を受け、最終的に家を売却して元本を返済することから、「リバース=逆」という名称になっています。
契約期間中は毎月利息のみを支払い、利用者が亡くなったとき(融資終了時)に担保物件である自宅を売却して返済するか、自宅を売却せずに相続人が一括返済するのが、リバースモーゲージの基本的な仕組みです【図表1】。
ただし、金融機関が相続財産管理人選任の申立てを行い、相続財産管理人が売却手続きをするなど、相続人なしで利用できる商品もあります。
また、一括ではなく定期的に融資資金を受け取るタイプや、利息の支払いがない(利息分が借入残高に組み入れられる)タイプなど、取扱金融機関によって商品の内容や条件はさまざまです。