初めての1人暮らし、賢いお金の管理術
「入るお金」と「出ていくお金」を見える化する
入るお金は給与明細書で把握する
それでは、具体的に「入るお金」と「出ていくお金」を整理してみましょう。
入るお金については、会社から受け取る給与明細書で把握できます。
給与明細書は
- 勤怠(勤務した日数や時間)
- 支給(勤務先から支払われる金額)
- 控除(給与から天引きされる金額)
- 合計
の4項目から構成されます。
額面収入(月収)は支給欄に記載された基本給と各種手当を合算したもので、「支給合計額」として記載されます。
そこから控除欄の税金や社会保険料等を天引きしたものが、いわゆる「手取り」と呼ばれるもので、「差引支給額」に記載されます。
額面と手取りの違いを理解して、手取りの中でやりくりすることを考えるようにしましょう。
手取りの計算方法や額面と手取りのイメージを整理したものが【図表2】になります。
手取り収入(可処分所得)=税金や社会保険料等を差し引いて手元に残るお金
会社員における額面収入と手取り収入のイメージ
額面年収 | 200万円 | 400万円 | 700万円 | 1,000万円 | 2,000万円 |
---|---|---|---|---|---|
手取り年収 | 約162万円 | 約314万円 | 約528万円 | 約712万円 | 約1,273万円 |
比率 | 80.86% | 78.49% | 75.45% | 71.20% | 63.66% |
- 額面年収は、月給12カ月分と賞与(月給の2カ月分×2回)、配偶者・扶養家族なし、所得控除は基礎控除のみ、住民税は世田谷区、雇用保険は2022年10月度、健保は協会けんぽ東京支部、2022年度の条件で試算
- (出所)
- 監修者作成
出ていくお金は固定費と変動費の2つに分ける
家計簿を付けるなどして、支出を費目別に分けて「見える化」してこそ、どこにどれだけのムダがあるのかを認識できます。
最もベーシックな費目の分類法は、固定費と変動費の2つに大別する方法です。
固定費とは毎月定期的にかかる支出のことで、住居費(家賃)、通信費、水道光熱費、保険料などが代表格です。
変動費は、食費や日用品費、被服費など、その都度、金額が変わる支出をいいます【図表3】。
固定費 (毎月必ず一定の支出がある費目) |
住居費 通信費 水道光熱費 保険料 自動車関連費 教育費 など |
変動費 (支出額が月によって変動する費目) |
食費 日用品費 被服費・美容費 娯楽費 交際費 医療費 など |
- (出所)
- 監修者作成
「家計簿を付けるなんて面倒」と思う人は多いかもしれませんが、今はレシートの写真を撮るだけで、買った商品、購入先、金額などを費目別に分けて自動的に記載し、集計まで行う無料の家計簿アプリがいくつもあります。
こうしたアプリを使えば、手書きの手間がいらず、「どれが固定費にあたるのか」と、迷う必要もありません。