金融教育ガイドブック~学校における実践事例集
ガイドブックの利用にあたって
1.学校における金融教育の必要性とその内容
(1)学校における金融教育の必要性
私たちは生活をしていくうえで、お金とは切っても切れない関係にあります。それだけに児童生徒に早いうちからお金とのつきあい方をしっかりと身につけてもらうことは、時代のいかんに関わらず基本的でかつ大事なことです。
さらに、最近では金融経済環境の大きな変化などにともなって、「お金を使う」、「お金を貯める(ないし運用する)」、「お金を借りる」、「仕事を通してお金を得る」というそれぞれの場面でさまざまなリスクやトラブルに直面することも少なくない時代になってきました。こうした事情を背景に、保護者や学校の先生方の間で、金融教育への関心が高まっているのではないかと思われます。
金融広報中央委員会では各地の金融広報委員会と協力して、これまでもさまざまなかたちで学校における金融教育を支援してきましたが、上で述べた事情を踏まえ今後一層この分野に力を入れていきたいと考えています。その際、当委員会として願っていることは、学校教育のなかで金融教育の要素を取り込んだ授業をこれまで以上に幅広く行っていただくこと、そしてそのことを通じて、児童生徒の皆さんに、社会人になっても役立つような知識や知恵をしっかりと身につけていただくことです。
そのためには、まず金融教育が、学校教育の目指す「生きる力」の育成とさまざまな点で接点をもっていることをご理解いただきたいと思います。その上で、金融教育の分野でも、体験的な授業を多く取り入れていただくことによって、児童生徒が多くの知識を習得するだけでなく、現実の社会を生き抜いていく上での確かな力を培ってくれることを望んでいます。