ナビゲーションをスキップして本文へ

これより本文です

18歳までに学ぶ 契約の知恵

1 成年(成人)と契約

① 未成年(17歳まで)と成年(18歳から)のちがい

未成年者(みせいねんしゃ)が契約をするときは、保護者(ほごしゃ)などの同意(どうい)を得(え)なければなりません脚注1

  • 保護者などの同意を得ず契約した場合、取(と)り消(け)すことができます(未成年者取消権(とりけしけん)脚注2

成年(成人)になると、自分ひとりで契約できます。

  • 未成年者取消権は、なくなります!!

高校生の男の子の父親が、家電量販店の店員に対し、「息子がパソコンを買う契約を取り消します。息子は未成年です」と伝えています。これに対し、店員は、「わかりました」と答えています。残念そうですが、相手が未成年だったとわかり、未成年者取消権があるため、仕方ないと思ったようです。このやりとりを聞いて、高校生の男の子は、成年年齢が18歳に引き下げられることを考え、「成年になってパソコンやスマホがひとりで契約できればうれしい。でも、責任も重くなる」、と感想を述べています。

② 契約とは?

契約とは、約束のうち、法律が適用されるものです脚注3権利(けんり)義務(ぎむ)が生じます。

契約は、自分と相手が合意(ごうい)すれば成立(せいりつ)します(「買います」⇔「売ります」など、意思表示(いしひょうじ)が合致(がっち)すれば成立)。口頭(こうとう)で合意するだけでも契約は成立します脚注4

替テキスト:高校生の女の子が、スマートフォンで、「ミックスピザ2つ、おねがいします」と注文しています。この電話を受けたピザ屋の店員が、「ミックスピザ2つ、わかりました。おとどけします」と答えています。文書はなく、口頭での合意ですが、契約は成立しています。

③ 契約を守る、相手にも守ってもらう

契約をすると、権利と義務が生じます。自分勝手な理由(例えば「気が変わった」など)で契約をやめることはできなくなります。一方で、相手にも契約を守るよう(例えば契約どおりの商品やサービスを提供するよう)、要求できます。

契約を守らないでいると、最終的には、相手から裁判所(さいばんしょ)に訴えられ、損害(そんがい)賠償(ばいしょう)することなどを命じられます。

なぜ、「契約は守るべき」なのか? ~考え方の例~

私たちは、契約するかしないか、どのような内容にするかなど、自分の意思(いし)自由に決めることができます(契約自由の原則)。自分の自由な意思で契約すると決め、相手と合意した以上、契約を守ることが求められます。社会は信用(しんよう)によって成り立っています。契約を守ることは、相手のためだけではなく、自分のためでもあります。契約を守らず信用をなくしてしまうと、今後、契約をしようとするとき、自分が困ることがあります。

脚注

1
こづかいや仕送りの範囲内なら、未成年者でも自分ひとりで契約できます。
2
未成年者取消権は、未成年であるというだけの理由で取り消しができる強い権利です。保護者、本人のどちらからでも取り消せます。なお、本人が「成人です」と積極的に相手をだました場合などは取り消せません。
3
友人と「明日、遊びに行く約束」などは、法律が適用されず、契約ではありません。
4
高額な契約のときなどに「契約書」を作るのは、証拠(しょうこ)を残し、トラブルにそなえるためです。

著名人・有識者が語る一覧をみる

  • 日本文学研究者・早稲田大学特命教授 ロバート キャンベルさん
  • 歌手・タレント・女優 森公美子さん
  • 映画字幕翻訳者 戸田奈津子さん
  
  • Let's チョイ読み!

おすすめコンテンツ

  • くらし塾 きんゆう塾
  • 刊行物のご案内
  • 金融経済教育推進会議
  • ナビゲーター
  • 伝えたいこの一言~生きるために大切な力
  • 金融リテラシー 講師派遣・講義資料・講座