おかねのね
自転車の安全運転を心がけよう
自転車は子どもにとって身近な乗り物ですが、危険とも隣り合わせです。自転車に乗る時に守るべきルールをきちんと伝えましょう。
例えば、次のような交通規則です。
・歩道と車道の区別がある所では自転車は車道通行が原則、歩道は例外
・車と同じく左側通行
・夜間はライトを点灯する
・13歳未満の子どもにはヘルメットを着用させる
・二人乗りは禁止
・車のように右折してはいけない
安全ルールを守って快適に利用したいですね。
警察庁の調査「交通事故の発生状況」(平成27年8月)によると、ここ数年、交通事故の死者数に占める自転車乗用中の事故件数の割合は15%程度です。安全確認を怠ったことや運転操作の誤り、信号無視などが死亡事故の主な原因です。ルールを守らず事故を起こし、加害者になってしまった結果、高額な損害賠償請求をされたケースもあるので、注意が必要です。
「小学生による自転車死亡事故で高額賠償命令!」
小学5年生の男の子が夜間、点灯していたものの、自転車で62歳の女性と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折となる大事故となり、寝たきりの状態となりました。
裁判では、少年は高速で坂道を下っており交通ルールに反する危険な運転で、母親に監督義務があると主張し、女性側が損害賠償を請求しました。一方、少年の母親側はライトを点灯することやヘルメットを着用するよう指導していたと反論しました。
神戸地方裁判所は、少年が時速20~30キロで走行していて前方不注意であったことが事故の原因であると認定し、ヘルメットを着用していなかったことから、母親の監督義務責任を認め、約9,500万円の賠償を命じました(平成25年7月4日神戸地裁判決)。
この裁判をきっかけに兵庫県では、自転車保険の加入を義務付ける条例を、全国で初めて制定しました。
事故を起こして高額な損害賠償請求をされてしまうと、家計は大きなダメージを被りますし、何よりも、子どもや家族の精神的な負担も相当重いものとなってしまうことでしょう。自転車運転マナーを普段から指導していくことが大切です。
自転車事故には「個人賠償責任保険」でカバー
自転車に乗っているときにぶつかって壊してしまったり、他人を死傷させたりして損害賠償請求をされてしまう事態への備えとして「個人賠償責任保険」が挙げられます。この保険は自転車事故だけではなく、日常生活で発生するトラブルにも対応できます。
例えば、
・ペットの犬が散歩中、通りがかりの人に嚙みついてけがをさせた
・子どもとキャッチボール中、他人の家の窓ガラスを割ってしまった
・買い物中に誤って商品を落とし、壊してしまった
・洗濯機の排水ホースが外れて、アパートの階下の部屋に水漏れを起こしてしまった
などです。
この保険に加入するには、火災保険、傷害保険、自動車保険の特約として契約するのが一般的です。保険料は、保険金1億円の場合でも年間1,000~2,000円程度です。また、契約者本人だけではなく、配偶者や同居の子ども、別居の未婚の子ども(仕送りをしている学生等)が起こした事故も対象となります。
このほか、自転車を整備した時に貼付されるTSマークには、保険が付いています。
十分に注意して自転車の運転をしていても、万が一ということもあります。保険で備えておくことも検討してみると良いでしょう。
もっと調べたいときには・・・
- 自転車の安全利用の促進(警察庁(キッズページ)へリンク)
- 知ってる? 守ってる? 自転車利用の交通ルールとマナー(政府広報オンラインへリンク)
- 自転車事故を補償する保険は、どのような保険がありますか(日本損害保険協会へリンク)
- TSマーク(公益財団法人日本交通管理技術協会へリンク)