おかねのね
自然災害に立ち向かおう
『わが国には自然災害が起きる条件がたくさんある』のが現実です。まずは大人が覚悟を持ち、備えましょう。
日本は平野部が少なく、豪雨などの災害に弱い沖積平野に住宅地が建設されています。また火山が多く、地震も多発します。地震や津波、台風や豪雨などは、ときに広範囲で甚大な被害を引き起こします。社会の生産活動を長期間停滞させ、生活基盤となる働く場所を失うことにもなりかねません。
日本は、防災への不断の準備が必要な国でもあることを折に触れて話題にし、子どもにも災害に対する覚悟を持たせるようにしましょう。地域に残された過去の地震や津波などからの教訓を子どもたちに伝え、自分の身を守る方法や防災に対する意識を育んでおくことも大切です。
防災を考える上で次の点を意識しましょう。
- 自分の住む町は自分たちで守ると考え、自主防災の意識を育む。
- 家族で地域のひ難訓練に参加して、災害時の適切な行動力を身につける。
- いざという時のためにお金を蓄えて、家族の命と財産を守る。
- 過去の災害時の経験を学び、次世代へも伝えて、歴史から学ぶ。
稲むらの火 ~機転と英断で村人の命を救った濱口梧陵~
和歌山県の海辺の村(現在の広川町)に住んでいた濱口梧陵(はまぐち ごりょう)は、1854年(安政元年)11月5日の安政の南海地震が発生した際、村に迫る津波から村人を守るため、自らが収穫した貴重な稲むら(刈り取った稲を野外に積み上げてあるもの)へ火を放ち、安全な避難場所へ村人を導く目印としました。
さらに津波で壊滅状態になった村と村人の生活を立て直すために、莫大な私財を投入して、防波堤を築きます。全長600m、高さ5mもの大防波堤は、88年後に起こった昭和南海地震の津波から、村を守りました。このことから、自然災害に遭遇した場合の早期避難と、災害に対する備えの重要さ、災害復興のあり方を学ぶことができます。
この史実は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が英語の著書で紹介していたこと、2004年のスマトラ沖地震の後に9言語からなる防災教材となって配布されたことから世界に広まり、国連は11月5日を「世界津波の日」として制定しました。
もっと調べたいときには・・・
- はれるんランド(気象庁へリンク)
- 津波防災教育センター 稲むらの火の館(和歌山県広川町へリンク)
- 特集 津波防災の日(内閣府へリンク)