おかねのね
買い物できるのはだれのおかげ?
暮らしの中の大体の食品・製品は、第一次産業(生産)→第二次産業(加工)→第三次産業(流通・販売)の流れで私たちの手元に届きます。それぞれの産業の働きや役割が違うこと、どの産業も社会に欠かせないことを、身近な物を題材にして子どもに教えていきましょう。
しかし、近年、その産業の区分があいまいになってきています。例えば、八百屋は近くの青果市場で農産物を仕入れますが、最近はインターネットを利用して直接生産者から仕入れることもあります。
さらには生産者から直接“継続的な仕入れの約束”をすることも多くなりました。このように農家と長期購入を契約することは、生産者の経営の安定を保証することにつながり、販売者にとっても良いものを安定的に仕入れることができるということです。
1.5次産業や2.5次産業、さらには6次産業という言葉が示すように、従来の区分を超えて経営を多角化させ、自社の商品の付加価値を高めていくようになっています。
このような世の中の変化も、子どもの成長に合わせて伝えていきたいものです。
*日本の産業を3部門別にみると、第1次産業は「農業、林業」及び「漁業」から成り、第2次産業は「鉱業、採石業、砂利採取業」、「建設業」及び「製造業」、第3次産業は「卸売業、小売業」、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」などから成る。
身近にあるSPA
SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)は『製造小売業』と呼ばれ、アパレル業界からスタートしています。かつてはデザインをする者、縫製をするメーカー、販売者(小売り)が別の主体であるのが一般的でしたが、社内で一貫した企画・製造・販売体制を設ける企業が登場しています。そうした企業では、消費者のニーズを素早く汲み取って新製品を開発したり、製造コストを削減し、在庫を正確に把握したりすることが可能になり、消費者に幅広く受け入れられました。
このような産業の区分を超えた戦略でグローバルな成長を目指す企業は、アパレル業界以外にも家具やメガネなどさまざまな業界へ広がりをみせています。
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