金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
保険・共済
生命保険内容の見直しについて
生命保険は、契約してから長期にわたって継続するのが一般的です。そのため、十分に検討し納得したうえで契約することが大切ですが、以下のような変化により、想定していた将来の保障を十分に満たしたものでなくなっていることがあります。定期的に保険内容をチェックし、自分の考えに最適な保険であるようにすることが必要です。
- 結婚や出産、子どもの独立などによる家族構成の変化
- 会社員が自営業者になるなど職業上の変化
- 定年退職などによる収入の増減に伴う保険料負担力の変化
- 新保険商品の登場
生命保険の契約内容を見直す場合の方法には、主に以下の4つがあります。
- 転換
- 保険金の増額・新規契約
- 保険金の減額
- 解約
転換
「転換」とは、現在の契約を活用して、新たな保険を契約する方法です。現在の契約の積立部分や積立配当金を「転換価格(下取り価格)」として新しい契約の一部にあてる方法で、もとの契約は消滅します。契約の一部のみを転換し、もとの契約のうち転換しない部分を継続できる転換方法を取扱う生命保険会社もあります(一部転換、部分転換などと呼ばれます)。
転換は、保障額や保障範囲をより充実させたい場合や、保険の種類を変更したい場合などに利用することが考えられます。転換では、「下取り価格」分を新規契約の頭金として充当することになるため、まったく新規に契約するより保険料負担が軽減されます。
ただし、転換時の年齢や保険料率で保険料が再計算されるため、もとの契約と同額の保障であっても保険料が上がる場合があります。また、予定利率も転換時の利率が適用されるため、もとの契約の予定利率よりも下がる場合、保険種類によっては保険料が上がります。契約内容が転換前と転換後でどのように変わるか、よく確認し、納得したうえで契約することが大切です。
なお、保険会社が転換を利用して新しい契約を募集する場合には、新旧契約の内容などを記載した書面を交付し、説明を行ったうえで、契約者から書面を受領した旨の確認をとることになっています。
保険金の増額・新規契約
保障内容を手厚くしたい場合、現在の契約にたとえば定期保険特約を中途で付加するなど不足する部分を増額する方法、または新規に契約を結ぶ方法があります。保険会社によっては希望の商品を取扱っていない場合があります。
保険金の減額
家庭の将来設計を再度検討したところ、保険契約の保障額を減らしてもいいということもありえます。この場合は保険金を減額します。保障額が減るので、それに応じて保険料も減少することになります。なお、減額した場合、各種特約の保障額が同時に減額されることもあるほか、保険会社によって減額後の最低保険金額などの制限があるので確認が必要です。
保険の解約
保障内容があっていない場合、保険契約を解約して、適切なものに新規加入する場合もあります。その際に注意することは、保障のない空白期間を作らないために、新規加入した後に、解約することです。
保障のニーズによっては、特約のみを解約して主契約の保障は残すという選択肢もあります。