金融商品なんでも百科
(平成30年4月)
保険・共済
保険と税金
保険料控除
生命保険料(個人年金保険料を含む)および地震保険料のうち一定額が所得控除の対象となり、払込金額に応じて所得税と住民税が軽減されます。
生命保険料控除については、平成24年1月1日以降に結んだ契約や、同日以降に更新を迎えた契約などを対象とする制度(以下新制度)が新しくできましたが、平成23年12月31日以前に結んだ契約を対象とする制度(以下旧制度)も継続されます。新制度での主な変更点は(1)介護医療保険料控除の創設、(2)適用限度額の変更です。
(1)介護医療保険料控除の創設
旧制度では、生命保険料控除は「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2種類がありましたが、新制度では「介護医療保険料控除」が加わり3つに分類されました。旧制度で一般生命保険料控除に該当していた保険料のうち介護保障や医療保障のみに関わる保険料は介護医療保険料控除に分類されることになりました。
(2)適用限度額の変更
旧制度で2つの控除の限度額はそれぞれ所得税で5万円、住民税で3万5千円でしたが、新制度では3つの控除それぞれ所得税で4万円、住民税で2万8千円となりました。
また各控除の限度額の合計が旧制度では所得税で10万円、住民税で7万円でしたが、新制度では所得税で12万円、住民税で7万円となりました。
一般生命保険料控除・個人年金保険料控除・介護医療保険料控除の対象となる保険料は保険金などの受取人が保険契約者(保険料負担者)、または配偶者、その他親族(六親等以内の血族と三親等以内の姻族)である生命保険の保険料です。個人年金保険料控除の対象となるのはさらに一定の要件を満たし、税制適格特約を付加した個人年金保険の保険料です。
損害保険料控除については、地震保険のみが対象となります。地震保険については、所得金額からその年に払い込んだ地震保険料のうち一定の金額を控除することができます。控除することができる金額は、所得税で地震保険料の全額(5万円限度)、住民税で地震保険料の2分の1(2.5万円限度)となっています。
保険金への課税
契約者・被保険者・受取人の関係によって課税方法が異なりますが、保険金を受取った場合にも、次のとおり税法上の特典が受けられます。
満期保険金・満期返戻金
契約者と受取人が同一人の場合、一時所得扱いとなり、次の算式で計算した金額がほかの所得と合算されて総合課税されます。
{(満期時受取額−払込保険料累計額)−50万円}×1/2
ただし、一時払養老保険などで保険期間が5年以下のものなど、一定の要件に該当する場合には、源泉分離課税となるものもあります。
死亡保険金
契約者と被保険者が同一人の場合は相続税の課税対象となります。相続人が保険金を受け取った場合に限り、
500万円×法定相続人数は非課税となります。
その他の給付金・保険金
(1)生命保険の場合
生命保険における不慮の事故や疾病により受取る入院給付金、手術給付金、障害給付金、介護給付金、および高度障害保険金などは非課税です。
(2)損害保険の場合
例えば傷害保険の場合では、入院保険金、通院保険金、手術保険金、後遺障害保険金などは非課税です。
金融サービス
契約者貸付
急に現金が必要になったときには、生命保険および積立型損害保険の解約返戻金の一定範囲内で貸付を受けることができます。
生命保険の場合、貸付金の利率は契約日や保険会社によって異なります。返済の期限は特にありません(簡易保険、かんぽ生命で取扱っている生命保険の場合は1年)。未返済のまま満期を迎えたり、被保険者が死亡したときには、保険金で清算されることになります。
積立型損害保険の場合、貸付金の利率は貸付の時期により異なります。返済期間は1年で、返済のない場合は更新されます。
また、未返済のまま満期を迎えたり、保険金が支払われる場合は、満期返戻金または保険金で精算されることになります。