Hello, フィンテック!
第3話 スマホで家計簿(その1)
みなさん、家計簿はつけてらっしゃいますか?
はい、と答えた方のなかにはスマホアプリでつけています!という人も多いのではないでしょうか。日記とならぶ三日坊主の代表選手だった家計簿が、デジタル時代になってそのスタイルを大きく変えています。
今回は、身近なフィンテックサービスのひとつである家計簿アプリを取り上げました。既に使いこなしていますという方も、買物の支払い情報や預金残高など大事なプライバシーやセキュリティがどう守られているか、裏側の仕組みを知ってみませんか。
普及が進む家計簿アプリ
日本でどれぐらいの人が家計簿アプリを使っているかご存じでしょうか。大手の家計簿アプリ提供企業では、2020年に利用者数が1千万人を超えたそうです。他のアプリサービスのユーザーも含めると、かなり普及が進んでいるといえそうです。
また、コロナウイルス感染の拡大にともなって、キャッシュレス決済やインターネットバンキング、ネットショッピングの利用が増加しています。家計簿アプリの提供企業によると、コロナ禍のもとで利用者の増加ピッチが更に高まったそうです。
消費者の生活スタイルが変わったことや家計管理への意識向上が、家計簿アプリ利用を拡大させているのかもしれません。
まずは預金口座の登録
具体的な使い方を見てみましょう。お金の管理をすべて現金で行っている人は少数派です。金融機関の預金口座が管理の基本となる場合が多いと思います。口座からの現金引き出し・預入れ、公共料金や家賃、ローン、クレジットカードの自動引き落とし、給料などの受取りなど、お金の管理の基本は預金口座と財布であることが多いです。このように今も昔も、家計簿では預金口座の出入りと、現金支払いの管理が中心となります。
それゆえ、家計簿アプリをスマホにインストールして最初にやることは、現金の管理場所である財布の設定と、預金口座と連携させる作業です。
預金口座を連携せずに使うこともできますが、その場合は、財布からの現金の出入りが家計簿管理の中心となりカバーする範囲が狭まってしまいます。
預金口座を連携すると、ATMからの現金引き出しや入金、クレジットカードの自動引き落としなど、預金通帳に記録される情報をスマホでいつでも見ることができるようになります。
預金口座を複数持っている場合、残高や入出金の記録を家計簿アプリでまとめてみることができます。ネットバンキングでは、金融機関ごとにアプリやwebブラウザを立ち上げる必要があります。家計簿アプリでは、送金などはできませんが、一覧性に優れ、預金残高の合計額を見ることもできます。
クレジットカードや電子マネーも管理できます
クレジットカードを家計簿アプリに連携させることも可能です。従来は口座引き落としや利用明細は、郵便物で確認していました。引き落とし額をみてびっくりという経験があるのではないでしょうか。
最近ではカード会社のwebサービスで確認することもできますが、カード会社別に見に行かなければなりません。カードを連携すると家計簿アプリでまとめてみることができます。また、引き落としの金額お知らせメールや、口座の残高不足お知らせメールなど受け取ることもできます。
クレジットカードはいくら使ったかが分からないから利用しないという方もいらっしゃいます。ごもっとも。そこで、月初から通算でいくら利用したかを示してくれるサービスが提供されています。
電子マネーを連携させると、利用状況が家計簿アプリに記録されます。電子マネーでは小額の支払いを頻繁にするので、家計簿につけるのは大変です。QRコード決済などキャッシュレス決済で使う種類が増えているので、これも一括管理できると楽ですよね。
それから、預金口座やクレジットカードからのチャージ入金情報も記録されるので、オートチャージを設定している場合には把握が容易になります。
このほかお金ではありませんが、様々なポイントサービスを家計簿アプリに連携させることもできます。貯めているポイントが沢山ある場合、一覧できるので便利ですね。
現金支出の手入力が面倒?
財布からの現金支出は、自分で入力せねばなりません。しかし、これもスマホならではの便利な機能があります。レシートを家計簿アプリで撮影すると、内容から食料品で内訳項目がお菓子と飲み物で、金額がそれぞれいくらと判断して記入してくれます。
また、補助アプリを使って、プリペイドカード型電子マネーの残高や過去の購買履歴をカードのチップから読みとってくれる機能がセットになっているのもあります。
(2020年10月)